# agentgateway Standalone ドキュメント概要
[[agentgateway]] のスタンドアロンバイナリ版公式ドキュメントのトップページ(`docs/standalone/latest/`)。プロジェクトの位置づけ・設計思想・機能一覧を概観する導入ページであり、詳細な構成・操作手順は個別の下位ページ(quickstart / about / deployment / configuration / llm / mcp / agent / operations / reference / faqs)に分かれる。本ページはこのうちトップの概要部分のみを取り込む。(Source: 本ページ)
## agentgatewayとは
agentgatewayは、[[Linux Foundation]] の一部としてホストされるオープンソースのゲートウェイ制御プレーン・プロキシデータプレーンである。HTTP/gRPC のロードバランシング・タイムアウト・リトライ・TLS・レート制限・認可・トラフィックポリシーを備えた汎用データプレーンであり、通常の API・マイクロサービスと、LLM 推論・[[Model Context Protocol|MCP]] ツールサーバ・A2A エージェント間通信を**同一のプロキシ**で前段配置できる。これにより「通常用」と「AI用」で別々のゲートウェイを運用する必要がなくなる。(Source: 本ページ)
## なぜ既存のAPIゲートウェイでは不十分か
MCP・A2A は従来の REST 的なステートレス request/response(1リクエスト→バックエンド選択→1レスポンス、セッション状態なし)を前提とする API ゲートウェイの設計と根本的に異なる。本ページは両者を次の表で対比する。
| 従来の API ゲートウェイ | agentgateway |
|---|---|
| ステートレスな request/response | 長命接続を伴う**ステートフルな JSON-RPC セッション** |
| 1 リクエスト → 1 バックエンド | 複数 MCP サーバへの**セッションファンアウト** |
| クライアント起点のみ | **双方向**: サーバが SSE でクライアントへイベントをプッシュ可能 |
| パス/ヘッダによる単純ルーティング | JSON-RPC メッセージ本体を理解する**プロトコル認識ルーティング** |
| 静的なバックエンドマッピング | クライアント単位の**動的ツール仮想化** |
(Source: 本ページ)
従来型ゲートウェイが解決できない具体的課題として、本ページは次の5点を挙げる: (1) 複数の MCP サーバへのツール一覧問い合わせをファンアウトし集約して単一結果として返す**多重化・ファンアウト**、(2) MCP サーバが SSE で push するリアルタイム更新をクライアントセッションへ正しく経路制御する**サーバ起点イベント**、(3) MCP/A2A 仕様の進化に伴うプロトコルアップグレード・フォールバックの**プロトコルネゴシエーション**、(4) クライアントごとに異なるツール可視性を動的に調整する**セッション単位の認可**、(5) ツールへの直接改竄・シャドーイング・rug-pull 攻撃を防ぐ**ツールポイズニング対策**。(Source: 本ページ)
agentgatewayはこれらステートフル・長命接続・ファンアウトを要する性質ゆえに、パフォーマンスとメモリ安全性を非交渉可能な要件として **Rust** で実装されている。(Source: 本ページ)
## 主要機能
### LLM Gateway
統一された OpenAI 互換 API を通じて主要 LLM プロバイダへルーティングし、アプリケーションコードを変えずにプロバイダを切り替えられる。本ページは OpenAI・Anthropic・Bedrock・Azure・Gemini・Vertex AI・Copilot・Cohere・Ollama・Baseten・Cerebras・Deepinfra・Deepseek・Groq・Hugging Face・Mistral・OpenRouter・Together AI・xAI・Fireworks の20プロバイダについて、Chat Completions / Responses / Messages / Embeddings / Realtime / Count Tokens / Rerank の7 API 種別ごとのサポート状況を一覧表で示す(ネイティブ対応・agentgateway による翻訳変換・ローカル推定・パススルー・未対応の5段階)。OpenAI 互換 API を持つ任意のプロバイダ(vLLM・llama.cpp・LM Studio 等のセルフホストモデルを含む)にも汎用的にルーティングできる。(Source: 本ページ)
自前 GPU インフラで稼働するセルフホストモデル向けには、[[Gateway API Inference Extension|Kubernetes Inference Gateway]] 拡張を実装し、GPU/KVキャッシュ利用率・プロンプトの重要度・LoRAアダプタ・キュー長といったシグナルに基づくインテリジェントなルーティングを提供する。(Source: 本ページ)
### MCP Gateway
[[Model Context Protocol]] を用いて LLM をツール・外部データソースへ接続する。複数 MCP サーバを単一エンドポイント下へ集約する**ツールフェデレーション**、stdio・HTTP/SSE・Streamable HTTP の各トランスポートへの対応、既存 REST API を MCP ネイティブツールとして公開する OpenAPI 統合、OAuth プロバイダ(Auth0・Keycloak)と連携する MCP 認証仕様準拠の認証・認可を提供する。(Source: 本ページ)
### A2A Gateway
Agent-to-Agent(A2A)プロトコルを用いた AI エージェント間の安全な通信を可能にする。エージェントは互いの能力を発見し、対話モダリティ(テキスト・フォーム・メディア)を交渉し、長時間実行タスクで協調し、内部状態やツールを露出せずに動作できる。(Source: 本ページ)
### セキュリティ・オブザーバビリティ
認証は JWT・API キー・Basic 認証・MCP 認証仕様に対応する。認可は [[CEL]] ポリシーエンジンによるきめ細かい RBAC。トラフィックポリシーとしてレート制限・CORS・TLS・外部認可を備える。オブザーバビリティは [[OpenTelemetry]] によるメトリクス・ログ・分散トレーシングをビルトインで提供する。(Source: 本ページ)
### プラットフォーム非依存
ベアメタル・VM・コンテナ・Kubernetes を問わず稼働する。[[Kubernetes Gateway API]] に準拠し、HTTPRoute・GRPCRoute・TCPRoute・TLSRoute をサポートする。(Source: 本ページ)
## 備考
- ドキュメントサイトの構造上、本ページはトップ概要のみを取り込んでおり、`quickstart`・`about`・`deployment`・`configuration`・`llm`・`mcp`・`agent`・`operations`・`reference`・`faqs` の各下位ページは未取り込みである。今後これらを ingest する場合は本ページを起点として `wiki/sources/` に追加する。
- 図(`architecture.svg`)を本ページ冒頭に埋め込んだ。
![[_attachments/agentgateway-standalone-docs/fig01-architecture.svg]]
(agentgatewayが複数の実行環境をまたいで、MCPサーバ・エージェント・OpenAPIエンドポイントなどのエージェント的ツール群への接続性を提供する構成図。Source: 本ページ)