# 「研究テーマ」の正体|石原尚
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**著者**: [[石原尚]](大阪大学大学院の教員)
**公開**: 2022年1月27日 / [note.com](https://note.com/hisashi_is/n/ne5a7cae4854d)
## 中核論点
### 研究テーマは研究と論文を束ねる
卒業論文・修士論文では、研究テーマが研究開始から結論までつきまとう。テーマは選択・絞り込み・深化・見直し・練り直し・整形の対象となり、手法、結果、考察、結論を1つの研究としてまとめる土台になる。
一方、「新規性がある」「興味を持てる」「社会的意義がある」「実現性がある」といったテーマ選択の基準は、テーマの良し悪しを考える助けにはなるが、研究テーマそのものが何かを定義しない。研究課題、問い、目的、対象、手法など、複数の意味が混在しているためである。
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研究テーマの意味が曖昧なまま、異なる助言を受けて混乱する状態を「研究テーマお化け」として表現している。
### 研究テーマは世界観と作戦である
記事の中心的な提案は、研究テーマを「どんな世界にどう挑むのか?」への答えとして捉えることである。その構造は、次の2つに分かれる。
- **世界観**: 研究対象についての理想・現状・課題・問題の組み合わせ
- **作戦**: 現状から課題へ進むためのアプローチ、およびその詳細である目標・手段
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研究テーマの正体を、世界観(緑)と作戦(橙)の構造として示している。
世界観の各要素には役割がある。理想は社会的意義、現状は新規性、問題は学術的貢献、課題は実現可能性の説明に関わる。作戦のアプローチは、どのような考えで問題を解決し課題を達成するかを示す。目標は問題解決につながる攻略上の要所、手段は目標に到達するための現実的な手立てである。
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研究テーマの構造と、魔王に挑むRPGの世界観・作戦を左右に並べて対応させている。
### 目的はテーマを代表する
目的は、「選んだアプローチによる問題解決と課題達成」である。世界観と作戦の重要部分を抜き出して一言で表すものなので、研究テーマを簡潔に説明する代表として機能する。ただし、記事の整理では目的だけでなく、その背後にある理想・現状・課題・問題・アプローチの連鎖まで明示することが重要になる。
### RPGによる対応付け
研究テーマの構造は、魔王に挑む冒険ゲームの構造に対応する。開始時の世界の状況が研究対象の現状、ハッピーエンドが理想、魔王が課題達成を妨げる問題、攻略イベントが目標、装備・スキルが手段、魔王を倒して姫を救出する作戦がアプローチに相当する。
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研究テーマの各要素を、魔王を倒して姫を救出するRPGの要素に対応付けている。
この比喩によれば、「あなたの研究テーマは何か」という質問は、「どんなゲームに、どのような作戦で挑むのか」という質問になる。記事は、構造を踏まえて研究テーマを説明すれば、テーマを決める・絞る・夢のあるものにする・現実的なものにする、といった助言を各要素への操作として解釈できると述べる。
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曖昧な「研究テーマお化け」が消え、世界観と作戦の各要素を具体化できる状態を示している。
## 限定と利用上の注意
この「研究テーマ=世界観と作戦」という説明は著者独自の見解であり、一般的な定義として確立したものではない。記事の価値は唯一の定義を提示することよりも、理想・現状・課題・問題・アプローチを1つの連鎖として可視化し、研究テーマに関する助言を構造の各要素へ分解できる点にある。
## 関連
- [[研究テーマ]] — 記事が提示する中心概念
- [[石原尚]] — 著者
- [[Osaka University]] — 著者の所属大学
- [[卒論・修論研究の攻略本]] — 著者が2021年10月に刊行した関連書籍
## 出典
- 原文: [「研究テーマ」の正体|石原尚](https://note.com/hisashi_is/n/ne5a7cae4854d)
- 取得テキスト: [[.raw/articles/research-theme-2026-08-30]]