# Tracy Kidder
ピューリッツァー賞受賞作 *"The Soul of a New Machine"*(邦題『超マシン誕生』、糸川洋訳、日経BP)の著者。すべてのコンピュータ科学者やIT専門家にとっての必読書とされる。Larry Petersonがより強く共感するのはKidderの別著 *"House"*(1985年、未訳)であり、マサチューセッツ州アマーストの外れにある牧草地に一軒の家を構築するプロセスを描いた作品である。(Source: [[@2026__LambdaNote__ネットワークシステムについて語るときに我々の語ること - Chapter 4 システム設計における判断]] §4.1)
## 『ネットワークシステムについて語るときに我々の語ること』における役割
第4章§4.1は"House"を軸に組み立てられている。Petersonは、"House"の本当の魅力を、建築家(アーキテクト)・棟梁・施主(オーナー)という三人の主要なステークホルダーが織りなす緊張関係に見出し、これをシステムアーキテクト・エンジニアリングチーム・顧客(プロダクトマネージャ)の関係に直接重ね合わせる。Kidderは"House"を人間についての物語としてはっきりと描き出しており、施主のJonathanと妻Judithが屋根の色をめぐって大工のJimと対立するエピソードや、大工のJimがアーキテクトの「優美な線を思い描く」能力への羨望を友人にこぼす場面が、当初の計画にはない機能追加が工程の途中で降ってかかる様子や、ハンマーを振るう人間が最終決定権を持つ現実を思い起こさせる例として引用される。Kidderが物語の随所に歴史的な逸話を織り交ぜる手腕(キャビネットの標準的な高さの秘伝が書籍出版によって公開され、徒弟制度の衰退と職業的建築家の台頭を招いたという逸話)も、Systems Approachシリーズの本でPetersonとBruce Davieが試みてきた執筆の営みとの繋がりとして言及される。(Source: [[@2026__LambdaNote__ネットワークシステムについて語るときに我々の語ること - Chapter 4 システム設計における判断]] §4.1)
## 関連
- 概念: [[エレガンス(システム設計)]]
- ソース: [[@2026__LambdaNote__ネットワークシステムについて語るときに我々の語ること - Chapter 4 システム設計における判断]]
## 出典
- Tracy Kidder, "The Soul of a New Machine", Little, Brown, and Company, 1981.(糸川洋 訳『超マシン誕生』日経BP、新訳新装版2001年)
- Tracy Kidder, "House", Houghton Mifflin, 1985.