# Thomas A. Limoncelli 『SREの探求』12章のコミュニティアンケートへの回答者の1人。肩書は「SREマネージャー、Stack Overflow, Inc.」で、自身をGoogle SREの卒業生と位置づける。 ## 主張の要旨 業界の求人広告を分析すると、DevOpsエンジニアの求人はSDLC(Software Delivery Life Cycle)パイプラインに集中しつつ場合によりプロダクションでの運用にも責任を負うと定義され、SREの求人はプロダクションでの運用に集中しつつ場合によりSDLCパイプラインにも責任を負うと定義されるとし、両者は同じことを指すが重点を置く場所が違うと整理する。この整理を図示したものが図12-1(Limoncelliモデル)であり、DevOpsはパイプラインの前半(プロダクト管理・開発)から後半(プロダクションでの運用)へステップを自動化しながら進み完了後は最初に戻ってボトルネックを最適化する動き、SREはプロダクションでの運用を起点に目的達成の手段としてパイプライン前段階へ遡って改善する動きとして描かれる。 GoogleのSREがパイプライン後半に集中できるのは前半フェーズが他チームによって既に解決されているためだとし、SREが必要に応じてパイプライン前半へ「パラシュート部隊」のように介入する様子や、DevOpsがパイプライン前半を強調してきた経緯(CI/CDへの移行が他の前提条件となる経験則)についても述べる。(Source: [[@2021__OReillyJapan__SREの探求 - Chapter 12 DevOpsとSRE:コミュニティからの声]] §12.4、図12-1) ## LISAとの関わり 1992 年に [[LISA]] の存在を知りながら、当時システム管理そのものへの業界の敬意の低さを内面化していたためしばらく参加を見送っていたと自ら明かす。後に参加し、2011 年には Doug Hughes とともにカンファレンスの共同議長を務めた(この年のテーマは DevOps だったが、当時 DevOps という語自体がまだ新しすぎて登壇者自身も意味を十分に理解していなかったと振り返る)。LISA '97 では業界初の「ソフトスキル」論文("Upgrading Yourself from System Clerk to System Advocate")を発表し、ソフトスキルのみを扱うチュートリアルクラスを最初に教えた人物でもある。[[Christine Hogan]] との共著書 [[The Practice of System and Network Administration]] は LISA コミュニティの慣行知を書き尽くす試みとして構想され、2005 年に LISA Outstanding Achievement Award を受賞した。2022 年の LISA 終了に際し「LISA は LISA 自身を陳腐化させた、それは賛辞である」という追悼エッセイを寄稿し、後継の SREcon への期待を語った。(Source: [[@2022__USENIX__LISA made LISA obsolete (That's a compliment!)]]) ## 関連 - [[DevOps]](Limoncelliモデルは『SREをはじめよう』1章でDavid N. Blank-Edelmanを介して間接的に紹介されており、本章はその一次資料にあたる) - [[DevOpsとSREの関係]] - [[David N. Blank-Edelman]] - [[LISA]] / [[USENIX]] — 2011年共同議長、追悼エッセイの著者 - [[Christine Hogan]] / [[The Practice of System and Network Administration]] — 共著書 ## 出典 - David N. Blank-Edelman(編), 「DevOpsとSRE:コミュニティからの声」, 『SREの探求』, オライリー・ジャパン, 2021, 12章. - Thomas A. Limoncelli, "LISA made LISA obsolete (That's a compliment!)", ;login: online, USENIX, 2022-10-27.