# SWIFT
## 概要
Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunications(SWIFT)は、1970年代に銀行のコンソーシアムが設立した、銀行間の送金指示をより安全・効率的・統制可能に送るための組織およびメッセージングシステムである。組み込みの認証・非否認機能を持つメールシステムに例えられ、任意の暗号化を追加できる。日々数兆ドル規模の送金に使われ、その設計は船荷証券のような他の資産の権原を扱うシステムにも転用されている。SWIFTは自らの職員が銀行取引を偽造できないよう、認証をSWIFT自身に委ねない設計を意図的に採用した点が特徴である。(Source: [[@2020__Wiley__Security Engineering 3e - Chapter 12 Banking and Bookkeeping]] ch.12 §12.3.2)
SWIFT Iでは、送信銀行がメッセージ認証コード(MAC)を計算し受信銀行が検証することで真正性を確保した。鍵は銀行の担当者どうしが対面または郵送で交換する双方向鍵交換で管理され、危殆化リスクを下げるため2つの鍵コンポーネントを別々の経路で送った。SWIFT自体は認証に関与せず、代わりに各国の地域処理拠点(RGP: Regional General Processor)が独立にログを取ることで非否認機能を提供した。機密性は任意のオプションとして回線暗号装置で提供され、暗号の民生利用を禁じる国ではこの装置を省略できた。1990年代半ばにMACアルゴリズムへの攻撃が公表されたのを機に、SWIFT IIでは公開鍵暗号を用いた鍵共有とデジタル署名が追加されたが、これは中央認証局への信頼集中という新たなリスクをもたらした。2016年のバングラデシュ銀行事件は、SWIFT自体ではなく個別銀行のSWIFTゲートウェイへの攻撃だった。(Source: [[@2020__Wiley__Security Engineering 3e - Chapter 12 Banking and Bookkeeping]] ch.12 §12.3.2, §12.3.3)
## 関連
- ソース: [[@2020__Wiley__Security Engineering 3e - Chapter 12 Banking and Bookkeeping]](§12.3.1〜§12.3.3)
- 概念: [[鍵配送プロトコル]](双方向鍵交換の具体例)
## 出典
- Ross Anderson, *Security Engineering: A Guide to Building Dependable Distributed Systems*, 3rd Edition, John Wiley & Sons, 2020, Chapter 12, §12.3.1-§12.3.3.