# NonStop
## 概要
NonStop は [[Tandem Computers]] が開発・製造した商用耐障害コンピュータシステムのシリーズである。モジュール冗長性、フェイルファストモジュール、プロセスペア、トランザクション機構を組み合わせた設計により、年単位の MTBF を実現した。主にオンライントランザクション処理、銀行決済、証券取引所、ATM ネットワーク、電話交換網など無停止運用を要求する分野で採用された。
本 wiki では [[@1985__Tandem__Why Do Computers Stop and What Can Be Done About It]] の分析対象として登場する。同論文は NonStop システム 2,000 台超・1,300 システム年超の障害統計を分析し、以下の知見を導いた:
- ハードウェア MTBF は 73 年、二重化ディスクの MTBF は 500 万時間超(約 1,000 年)
- システム全体の MTBF は報告値 1.8 年(補正後 3.8 年)で、従来設計の 2 桁以上の改善
- 残存する障害の主因は管理(42%)とソフトウェア(25%)であり、ハードウェア耐障害設計の成功を裏づけた
NonStop の Encompass データ管理システムは、永続プロセスペアとトランザクション機構の統合によるソフトウェア耐障害性の実例として論じられている。現在は Hewlett Packard Enterprise のもとで後継プラットフォームが継続されている。
[[@1996__McGrawHill__Handbook of Software Reliability Engineering - Chapter 8 Measurement-Based Analysis of Software Reliability]]([[Ravishankar K. Iyer]] と [[Inhwan Lee]])は、NonStop の GUARDIAN オペレーティングシステムを対象に計測ベースのソフトウェア信頼性解析を行った。153件の Tandem Product Report(TPR)を解析し100件の一意な障害・約72%の再発率を定量化したほか、16プロセッサ構成のマルコフ報酬解析でプロセスペアによる単一障害許容(SFT)機構がソフトウェア起因のサービス損失を89%削減することを示した。同章はまた、ハードウェア障害耐性のために設計されたプロセスペアが、フィールドで報告されたソフトウェア障害の約75%をも偶発的に許容していたことを報告している([Lee95])。(Source: [[@1996__McGrawHill__Handbook of Software Reliability Engineering - Chapter 8 Measurement-Based Analysis of Software Reliability]])