# Max Schrems
## 概要
Max Schremsはオーストリアの弁護士で、Facebookによる欧州個人データの米国への移転の合法性を2度にわたり欧州司法裁判所(ECJ)で争い、いずれも勝訴した。1度目(2015年)は、Facebookアイルランド法人(EU本部)が欧州ユーザーのデータを米国で処理する行為について、米国の法・実務がNSAのような公的機関による監視(Prismを通じた「すべてを収集する」access)から保護を与えていないと主張し、ECJはEU-米国間のデータ移転枠組みであったSafe Harbour協定を無効化した。2度目(2020年7月)は、Safe Harbourの後継として導入されたPrivacy Shield(EU市民がNSAに監視されたと考えた場合に苦情を申し立てられるオンブズパーソン制度を付加した枠組み)についても同様の訴えを起こし、ECJはこれも無効化した。被告のアイルランドデータ保護コミッショナーは、米国のテック企業がEU本部をアイルランドに置いてプライバシー法を軽視することを黙認する立場を約300万ユーロを費やして擁護したが、認められなかった。ECJはまた、プライバシー当局が苦情を受けた際に対応する義務を負うことも明確にした。(Source: [[@2020__Wiley__Security Engineering 3e - Chapter 26 Surveillance or Privacy?]] §26.6.3)
## 関連
- 章: [[@2020__Wiley__Security Engineering 3e - Chapter 26 Surveillance or Privacy?]]
- 概念: [[データのプライバシーと同意]] / [[国家監視の歴史と法制度]]
## 出典
- Ross Anderson, *Security Engineering: A Guide to Building Dependable Distributed Systems*, 3rd Edition, John Wiley & Sons, 2020, Chapter 26, §26.6.3.