# Matt Klein
Envoy Proxyの作者として知られるエンジニア。*Observability Engineering*第2版第19章「Observability for Mobile and Frontend」のうち「Applying Local Storage and Real-Time Control to Mobile Observability」節を寄稿し、[[Hanson Ho]]主寄稿の章の一部を担う。
## 『SREの探求』第26章の寄稿
[[Lyft]] のソフトウェアエンジニアで [[Envoy]] の開発者。さまざまな企業で15年以上、オペレーティングシステム・仮想化・分散システム・ネットワーキング・システム運用の簡素化に取り組んできた。Twitter における C++ L7 エッジプロキシの開発責任者、Amazon EC2 でのハイパフォーマンスコンピューティング/ネットワーキング担当という経歴を持つ。『SREの探求』第26章「サービスメッシュはマイクロサービスの世話人か」を寄稿し、Lyft における Envoy の開発経緯と運用ケーススタディを詳述した。Lyft ではネットワークチームの責任者として Envoy の開発と運用の両方を担う。(Source: [[@2021__OReillyJapan__SREの探求 - Chapter 26 サービスメッシュはマイクロサービスの世話人か]] ch.26 著者紹介, §26.4.2)
## 主な主張(第19章の寄稿節より)
- モバイルオブザーバビリティを「最後のフロンティア」と位置づける。成熟したモバイルアプリではセッションの99.9%以上がクラッシュフリーである一方、多くのモバイルチームはクラッシュ監視以外のオブザーバビリティ手段を持たない。サーバー側で99.99%の成功率を達成していても、`200 OK`応答に不正な`JSON`が含まれてクライアント側のゴールデンフローが止まれば、そのサーバー指標には意味がないと指摘する。
- 長いリリースサイクル・ユーザーのデータ通信量への配慮・断続的な接続性・予期しないアプリ終了の常態化・巨大なカーディナリティとコスト・メインスレッドを阻害しないローカルストレージ実装の必要性、という6つの制約から、サーバー側のオブザーバビリティ手法をそのまま移植することはできないと論じる。
- 解決策として、ディスク永続化された有限サイズの循環バッファへのローカルストレージと、サーバー・デバイス間の双方向ストリーミング接続によるリアルタイム制御プレーンの組み合わせを提案する。これにより開発者は無制限にログを仕込みつつ、サーバー側が必要な分だけ取り込む「フィデリティダイヤル」を実現できるとする。
## 第8章での引用: SRE の組織的位置付けに関する指摘
『SREの探求』第8章「大企業における SRE の導入」で著者 [[Sriram Gollapalli]] は、SRE チームを開発ライフサイクルに関与させる際の組織設計上の緊張を説明する箇所で、Klein の記事 "The human scalability of DevOps" から次の指摘を引用する。「SRE はプロダクトチームに組み込む必要があるものの、プロダクトチームのエンジニアリングマネージャーに直属すべきではありません。こうすることで SRE は、チームとスクラムを組み、相互の信頼を築きながらも、信頼性と機能のどちらを優先するか検討する場合には真の対話ができるように、適切なチェック&バランス機能を果たすことができます」。第26章での本人寄稿とは異なる引用元(medium.com記事)からの参照である。(Source: [[@2021__OReillyJapan__SREの探求 - Chapter 8 大企業におけるSREの導入]] ch.8 §8.2.4.4)
## 関連
- [[Hanson Ho]] — 同章の主寄稿者
- [[@2026__OReilly__Observability Engineering 2E - Chapter 19 Observability for Mobile and Frontend]]
- [[モバイルオブザーバビリティ]]
- [[Lyft]] / [[Envoy]] / [[サービスメッシュ]]
- [[@2021__OReillyJapan__SREの探求 - Chapter 26 サービスメッシュはマイクロサービスの世話人か]]
- [[@2021__OReillyJapan__SREの探求 - Chapter 8 大企業におけるSREの導入]] — "The human scalability of DevOps" からの引用元