# MENACE
[[Donald Michie]] が1960年代のエディンバラ大学で作った機械式コンピュータ。多数のマッチ箱を用いて三目並べ(〇×ゲーム)の遊び方を学習する。電子計算機が使えなかった時代に AI の先駆者が知恵を絞って生み出した設計として紹介される。
## 仕組み
ゲームが終わるたびに、その局面に関係したマッチ箱へ色付きビーズを追加または除去するという形で正または負の報酬を与える。これは現代のニューラルネットワークにおいてトレーニングデータにより重みを調整することに相当すると説明される。十分なトレーニングを経ると、誰もゲームのルールを明示的に説明していないにもかかわらず、人間のプレイヤーを相手に(完璧とまでは言えないが)それなりの手が打てるようになった。対戦する人間のタイプによって異なるプレイスタイルを学習することも示された。(Source: [[@2026__LambdaNote__ネットワークシステムについて語るときに我々の語ること - Chapter 12 Looking Over The Fence (垣根をこえて)]] §12.2)
## 現代の機械学習との類比として引用される論点
[[Rodney Brooks]] は、MENACE を指して「知的だ」「感情がある」と言う者は誰もいないだろうと指摘する。トレーニングを通じてタスクを上手にこなせるようになる点で MENACE と AlphaGo・LLM は共通するが、その実体が色付きビーズが入った数百個のマッチ箱にすぎないことを踏まえれば、そこに「三つ並んだ×」という概念すら存在しないことは明らかであり、「学習」という言葉から知能を連想するのは早計だと論じられる。(Source: [[@2026__LambdaNote__ネットワークシステムについて語るときに我々の語ること - Chapter 12 Looking Over The Fence (垣根をこえて)]] §12.2)
## 出典
- [[@2026__LambdaNote__ネットワークシステムについて語るときに我々の語ること - Chapter 12 Looking Over The Fence (垣根をこえて)]](§12.2、図12.1)