# Laura Maguire
レジリエンスエンジニアリング研究者。[[Jeli|Jeli.io]] に所属([[@2022__SREcon22APAC__A Post Incident Review Review]] でも Jeli の共同著者として登場)。「Howie: The Post-Incident Guide」(2021)共著者の一人。
**代表的命題**([[@2022__SREcon22EMEA__The Repeat Incident Fallacy - What Jurassic Park Can Teach Us about Incidents]] p.5 で引用):
> 「川に二度と同じ水が流れないように、あなたは同じインシデントに二度と直面しない。なぜなら継続的インテグレーションと継続的デプロイメント = 継続的変化だから。」
この命題は [[Emily Ruppe]] のトークにおいて「Repeat Incident Fallacy」の理論的支柱として引用された。出典元論文・ブログは未確認(Jeli 発表スライドまたはブログからの引用と推定)。
## Adaptive Choreography(適応的コレオグラフィ)
[[Matt Davis]] は [[@2023__SREcon23Americas__Human Observability of Incident Response]](p.11)において、Maguire の **Adaptive Choreography** モデルを **Response Trio** として引用した。インシデント対応における3役割:
- **コンダクター**: 全体を指揮・調整する
- **コミュニケーター**: コンダクターと問題解決者をつなぎ、ステークホルダーへの連絡窓口となる
- **問題解決者**: 技術的な問題の診断・修復を担う
3者は双方向の矢印で接続された三角形をなし、ステークホルダーはコミュニケーターを通じてのみ接触する。Adaptive Choreography の3特性(Interpredictability・Directability・Common Ground)は [[Joint Activity]] 概念と接続される。
Maguire の ACM Queue 論文「Managing the Hidden Costs of Coordination」も引用された。同論文の協調コストという論点は、[[Sarah Butt]]・[[Alex Elman]] による [[@2023__SREcon23EMEA__Embracing the Multi-Party Dilemma - Incident Response Across Company Boundaries]]でも、組織境界を越えた協調コスト増大の文脈で口頭に言及されている。
## Followship(フォロワーシップ)
[[@2023__SREcon23Americas__An Organizational Response to Incidents]](2023-03-22、Maguire 本人の登壇)では、Incident Commander という単一役割への組織的関心の集中を問い直し、**フォロワーシップ**——「共通目標のために働く経験豊富な対応者たちの適応的コレオグラフィ」——という概念を提示した。SNAFUcatchers・Ohio State University・IBM・New Relic・Salesforce・Etsy・KeyBank・iex との共同研究に基づく。知識の4象限(team/others/technical system/organization、Maguire 2020)や、組織的対応の改善フレームワーク Observe/Talk/Analyze も同トークで提示している。詳細は [[Followship]] を参照。
## Skip-level トレードオフ意思決定
[[@2024__SREcon24Americas__Hard Choices, Tight Timelines - A Closer Look at Tradeoff Decisions during Incidents]](2024-03-19、[[Courtney Nash]] との共同登壇)では、インシデント対応中のトレードオフ意思決定を組織階層をまたいで分析した。The Void のインシデントレポートには意思決定の推論過程が記録されていないという限界を踏まえ、vignette(状況想定シナリオ)法による追加調査を実施し、上級リーダー・マネジメント層・対応者という階層ごとに重視する考慮事項が異なること(skip-level tradeoff)を示した。フォロワーシップ研究で扱った対応者間の水平的な協調に加え、本講演は上下の階層間で暗黙のうちに異なる優先順位が対応の摩擦を生む構造に焦点を当てている。