# John von Neumann **John von Neumann**(フォン・ノイマン、1903–1957)はハンガリー生まれの数学者。[[Oskar Morgenstern]] との共著 *Theory of Games and Economic Behavior*(1944)で一般ゲーム理論を展開した。 ## 『サイバネティクス』第8章における言及 第8章では、自由市場を「ゲーム」として捉える枠組みの提供者として登場する。ウィーナーは、自由市場での個人の利己性が全体の利益に転じるというホメオスタシス的な通念を「単純すぎる理論」として退けたうえで、市場が[[Oskar Morgenstern]] と von Neumann の展開した一般ゲーム理論の対象になると位置づける。この理論は、各プレイヤーがそのつど利用可能な情報に照らして完全に知的な政策に従い、最終的に期待される報酬の最大化を図るという仮定に立つ。プレイヤーが2人の場合は理論が複雑でも定まった手筋に至ることが多いが、3人以上、とりわけ多数になると結果は極度の不確定性・不安定性に陥ると論じられる。ウィーナーはこの「完全に知的で完全に非情なプレイヤー」という von Neumann の描像自体を「抽象化であり事実の歪曲(a perversion of the facts)」だとも述べ、理論の枠組みを借りつつもその現実描写としての妥当性には留保を付けている。(Source: [[@1961__MITPress__Cybernetics - Chapter 8 Information, Language, and Society]] p.159-160) 章末の Note では、チェス対局機械をめぐる考察のなかで、「von Neumann の意味での最適な対局(optimum game)」という語が再び現れる。ウィーナーは、人間の最良の頭脳でさえこの意味での最適な対局には近似せず、実用的なチェス機械が目指すべきは von Neumann 的な最適性ではなく、人間の対局者に「興味深い対抗」を提供できる中間的な水準だと述べる。(Source: [[@1961__MITPress__Cybernetics - Chapter 8 Information, Language, and Society]] pp.164-165) ## 関連 - [[Oskar Morgenstern]] — *Theory of Games and Economic Behavior* の共著者 - [[ノーバート・ウィーナー]] — 第8章で von Neumann のゲーム理論を市場批判に援用した - [[社会のホメオスタシス]] — von Neumann-Morgenstern のゲーム理論が反証に使われる自由市場ホメオスタシス説 - [[サイバネティクス]] ## 出典 - [[@1961__MITPress__Cybernetics - Chapter 8 Information, Language, and Society]]