# John Staudenmaier
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## 概要
John Staudenmaier は技術史学者で、「技術は科学から派生した知識ではなく自律した知識体系である」という見方が技術史学の中でどう展開してきたかを、George Wise による短い総説と並んで詳細に論じた(Source: [[@1990__JohnsHopkins__What Engineers Know and How They Know It - Chapter 1 Introduction - Engineering As Knowledge]], p.5)。
## 本書での位置づけ
- Staudenmaier は、「技術を知識として見る」立場が科学-技術関係をめぐる論争から生まれ、それ自体が主要なテーマとなり、科学-技術関係はむしろ副次的なテーマに縮小したと見る。(Source: ch.1, p.5-6)
- 技術的活動を、技術設計とその「アンビエンス(ambience、人工物を取り巻く経済的・軍事的・社会的・個人的・環境的な文脈的要因の総体)」との間の緊張関係として特徴づける(むしろ定義する)という見方を提示した。Vincenti はこの概念を借りて、本書が主に扱うのは設計側の内的知識であり、文脈的要因(アンビエンス)は上位階層でより強く作用すると位置づける。(Source: ch.1, p.11-12)
- Vincenti は自身の研究の進め方(当初は科学-技術関係を探るつもりで始め、途中で知識こそが中心的関心だと気づいた)が、Staudenmaier の見る技術史学コミュニティの経験を再現したものだと述べている。(Source: ch.1, p.10)
- 第7章は、第1章で導入された「技術設計とその環境(ambience)との緊張」概念を、6つの知識カテゴリと設計の階層が交差する構造に結びつけて再利用する。社会的文脈の影響は設計階層の上位ほど基本設計概念・基準と仕様に強く現れる(例: 軍事的要求が Harrier の垂直離着陸という動作原理を生んだ、Pinch と Bijker が示した自転車の通常形態が複数の社会集団の要求の相互作用で決まった)とされ、Staudenmaier の緊張概念は本書全体を貫く分析軸として機能していることが分かる。(Source: [[@1990__JohnsHopkins__What Engineers Know and How They Know It - Chapter 7 The Anatomy of Engineering Design Knowledge]], p.223-224)
- 第8章は、Staudenmaier を Jacques Ellul・Eugene Ferguson・Lewis Mumford ら「西洋技術文化のディレンマの分析者」の議論を整理する存在として参照する。著者は自身のキャリアを通じて工学上の問題の範囲が社会的・環境的な事柄にまで拡大するのを見てきたと述べたうえで、Ellul・Ferguson・Mumford らが工学上の問題の定義をさらに道徳や人間の尊厳といった文化的規範にまで広げるべきだと考えていると紹介する。その根拠として、Staudenmaier がこれらの論者の思考を検討した結果として導いた要約——技術者が「設計の特性を文化的環境の非技術的次元と統合する」広い方法を求めている——が引用される。著者はこれを、工学問題が何を意味するかという定義自体が時代・場所によって変わりうる歴史学の対象だと結び、変異-選択モデルにおける「機能する」の意味の文脈依存性の論拠に使う。(Source: [[@1990__JohnsHopkins__What Engineers Know and How They Know It - Chapter 8 A Variation-Selection Model for the Growth of Engineering Knowledge]], p.256-257)
## 関連
- [[Edwin Layton]] — 同じ史学史の文脈で「技術は知識である」という見方を論じる学者。
- [[What Engineers Know and How They Know It]] — 第1章が Staudenmaier の史学史整理とアンビエンス概念を参照する。
- [[変異選択モデル]] — 第8章が Staudenmaier 経由で Ellul・Ferguson・Mumford の議論を、選択基準における「機能する」の文脈依存性の論拠として引く。
- [[@1990__JohnsHopkins__What Engineers Know and How They Know It - Chapter 7 The Anatomy of Engineering Design Knowledge]] — アンビエンス概念を知識カテゴリ×設計階層の分析へ再利用する章。
- [[@1990__JohnsHopkins__What Engineers Know and How They Know It - Chapter 8 A Variation-Selection Model for the Growth of Engineering Knowledge]] — 工学問題の定義の文化的拡張を論じる文脈での参照。
## 出典
- Walter G. Vincenti, *What Engineers Know and How They Know It*, The Johns Hopkins University Press, 1990, Chapter 1, pp. 5-6, 10-12; Chapter 7, pp. 223-224; Chapter 8, pp. 256-257.