# Henry Ford ## このソースでの役割 Mahoney が [[@1990__CWIQuarterly__The Roots of Software Engineering]] で、アメリカのソフトウェア工学思考が暗黙に借用してきた2つの生産性モデルの一つ(もう一方は [[Frederick W. Taylor]] の科学的管理法)として検討する組立ライン(assembly line)の確立者。Ford方式の本質的特徴は、技能を労働者から生産の機械へと移し替えることにあり、労働者は機械に付き従うだけで生産の質・量に対する統制権を持たない。0.0001インチの精度による部品の完全な互換性保証(品質管理)も Ford システムの特徴だった。 Mahoney は、ソフトウェア生産を「フォード化」するとは自動機械の計算機類似物 ── 信頼性の設定標準を満たすソフトウェアを生成するソフトウェアシステム ── を設計することを意味するとし、[[M.D. McIlroy]] が「大量生産されたソフトウェア」を語ったときに Ford のモデルの言語を話していたと分析する。またNATO会議の一部参加者がソフトウェア設計を実験(プログラムを書き計算機にかけデバッグする)として捉える見方も、Ford の "Let's turn it over and see why it won't start" という言葉に重ねて紹介される。この実験的見方に対置されるのが [[Edsger W. Dijkstra]] の形式的検証の立場である。(Source: [[@1990__CWIQuarterly__The Roots of Software Engineering]] §6) ## 関連 - source: [[@1990__CWIQuarterly__The Roots of Software Engineering]] - concept: [[ソフトウェア工学の起源]] - entity: [[Frederick W. Taylor]](対比されるもう一つの生産性モデル) ## 出典 - Michael S. Mahoney, "The Roots of Software Engineering", *CWI Quarterly* 3, 4 (1990), 325–334.