# Fin
Fin(旧Intercomが開発するAIカスタマーサポートエージェント)。エンドユーザーとのチャットで問題を解決することを主な役割とし、単一のLLM呼び出しではなく、顧客が設定したガイダンスに従い、アクションを起動し、タスクを完了する複雑なエージェント型システムとして進化してきた。中心的な効率指標は**解決率(resolution rate)**で、Finが関与した対話のうち解決できた割合を指す。2023年3月のローンチ以降、月あたり約1パーセントポイントの解決率改善を継続している。多数のA/Bテストが本番で常時走り、個々には小さな改善を積み重ねることでこの成長を実現した。(Source: [[@2026__OReilly__Observability Engineering 2E - Chapter 22 Fin’s Case Study in Modern Engineering]] "Increasing Resolution Rate")
2025年初頭、顧客からの「遅い」という苦情を受けて、エンドツーエンドの顧客体験を表す**time to first token**という信号を新設し、以降のあらゆる変更をこの指標で判定するようになった。低レベルのスパンテレメトリを持つ分散トレースを再構築してクリティカルパスを特定し、「先行リクエスト(eager requests)」最適化で中央値のtime to first tokenを2秒短縮した。一方でこの最適化は、Finが関与しない対話でも無駄なLLM呼び出しを発生させ、財務チームの四半期レビューで粗利益低下として発覚するという教訓も残した。最終的にFinの対話あたりコストも同じ分散トレースに追加され、顧客中心の信号と事業中心の信号の両方にSLOを設定する運用に至った。(Source: [[@2026__OReilly__Observability Engineering 2E - Chapter 22 Fin’s Case Study in Modern Engineering]])
CTOの[[Darragh Curran]]は、第23章の公開書簡でFinを「最高性能のカスタマーサポートAIエージェント(the highest-performing AI agent for customer service)」と位置づけ、AIがカスタマーサポートの実作業を人間より速く高品質にこなせる未来への確信からFin開発への全社ピボットが生まれたと述べる。(Source: [[@2026__OReilly__Observability Engineering 2E - Chapter 23 Organizational Learning Speed Is Now Your Biggest Constraint - An Open Letter to CTOs]] "A Letter from a CTO: How Fin Engineering Optimizes for Learning")
## 関連
- 組織: [[Intercom]]
- 人物: [[Kesha Mykhailov]] / [[Darragh Curran]]
- 概念: [[GenAI オブザーバビリティ]] / [[イベントベースSLO]] / [[クリティカルパス分析]]
Sources: [[@2026__OReilly__Observability Engineering 2E - Chapter 22 Fin’s Case Study in Modern Engineering]] / [[@2026__OReilly__Observability Engineering 2E - Chapter 23 Organizational Learning Speed Is Now Your Biggest Constraint - An Open Letter to CTOs]]