# Cynthia Dwork ## 概要 Cynthia Dworkは、Frank McSherry・Kobbi Nissim・Adam Smithと共に2006年に差分プライバシー(differential privacy)の理論を発表した計算機科学者である。この理論は、統計データベースにノイズを付加してどれだけ開示を防げるかを体系的に分析する方法を示し、暗号理論の一時パッド(one-time pad)や無条件安全な認証コードに相当する、統計データベースセキュリティ・匿名化一般のゴールドスタンダードと見なされるようになった。理論の出発点は、2003年のKobbi NissimとIrit Dinurによる先行研究で、クエリがプライベートなビット情報の線形関数の近似値を返す場合、誤差が十分小さければ少数のクエリでデータベース全体を再構成できることを示していた。Dworkらの鍵となる洞察は、開示の意図しない発生を避けるため、個々人の貢献がクエリ結果に与える差を、データの感度に応じて較正したノイズの標準偏差で抑えるというものであり、これによりϵ-識別不能性(ϵ-indistinguishability)という形式的な定義とラプラス分布ノイズによる実現方法が導かれた。(Source: [[@2020__Wiley__Security Engineering 3e - Chapter 11 Inference Control]] §11.3) ## 関連 - 概念: [[差分プライバシー]](Dworkらが確立した理論そのもの) / [[統計的開示制御]](差分プライバシー登場以前のアドホックな技法群との対比) - ソース: [[@2020__Wiley__Security Engineering 3e - Chapter 11 Inference Control]](§11.3) ## 出典 - Ross Anderson, *Security Engineering: A Guide to Building Dependable Distributed Systems*, 3rd Edition, John Wiley & Sons, 2020, Chapter 11, §11.3.