# Comfey [[Microsoft Azure]] の各エンジニアリングチームが 1:1 でデプロイする軽量トリアージエージェントの集合体。各チームエージェントはドメイン固有データを分析してインシデントを受理(accept)するか拒否(reject)するかを局所的に判断し、拒否時は共有の Global Routing Table を介して他チームのエージェントと間接的に協調する。中央集権的な単一の「God Agent」に判断を集約せず、決定を「ローカルな accept/reject」と「グローバルな統計的ルーティング」に分離することで、単一の弱いエージェントに全体性能が引きずられる問題を回避する設計思想を持つ(Source: [[@2026__FSE Companion__An Agentic Framework for Triaging Incidents in Production Cloud Infrastructure]] §3.1, §3.2)。 - **稼働実績**: Azure 本番環境で 22 か月間稼働し、15 チーム・数百万ホストを対象に約 19,500 件のインシデントを 91.5% の精度(オンコールエンジニア検証)でトリアージ。平均トリアージ時間を手動比 6 倍、緩和時間を 4.3 倍高速化。 - **中核機構**: TSG(Troubleshooting Guide)マッチング + 過去インシデントとの類似度検索(TF-IDF・埋め込み)+ LLM Reasoning Service による accept/reject 判断(Algorithm 1)。拒否時のルーティングは、成功した過去のトリアージ経路を意味的シグネチャごとに集計する Global Routing Table による "Statistical Routing"($O(1)$)で行う。 - **設計思想の位置づけ**: Contract Net/リアルタイムネゴシエーション型のマルチエージェントフレームワーク(Triangle (ASE '25) 等)や MetaGPT・ChatDev のような自然言語推論ベースの "Reasoning Routing" とは異なり、Blackboard/Stigmergy(間接的な足跡ベース協調)に近い設計を採る。LLM 呼び出しはローカルなエンリッチメント・要約のみに予約し、大半のルーティング判断には LLM 推論を要さないことで、数百エージェント規模までのスケールとエージェント品質の異質性への耐性を両立する。 - **先行システムとの比較**: Comfey 導入前の Azure は [[COMET]](AutoExtractor + LLM キーワード抽出による中央集権的トリアージ)を用いていたが、Comfey は COMET 比でトリアージ精度を約 7.55% 改善し、トリアージ時間を 4.38 倍、緩和時間を 2.91 倍短縮した。 ## 関連 - ソース: [[@2026__FSE Companion__An Agentic Framework for Triaging Incidents in Production Cloud Infrastructure]] - 開発元: [[Microsoft]] / [[Microsoft Azure]] - 比較対象: [[COMET]] / [[DeepCT]] / [[DeepTriage]] - 概念: [[インシデントトリアージ]] / [[マルチエージェント協調]] / [[インシデント管理]] - 著者: [[Yuhan Yao]] / [[Yuxuan Jiang]] / [[Minghua Ma]] / [[Madhura Vaidya]] / [[Jieren Deng]] / [[Yigong Hu]] / [[Chetan Bansal]] / [[Ze Li]] / [[Murali Chintalapati]]