# Ben Treynor Sloss
## 概要
[[Google]] の VP Engineering であり、Site Reliability Engineering(SRE)というディシプリンの創設者である。「SRE」という用語を造語し、ソフトウェアエンジニアリングの手法を運用に適用するアプローチを体系化した。
## 主要な貢献
### SRE の定義と創設
「SRE とは、ソフトウェアエンジニアに運用機能の設計を任せたときに生まれるものである(what happens when you ask a software engineer to design an operations function)」という定義を与えた。この定義は [[SRE Book]] の第 1 章(Introduction)で示され、SRE ディシプリン全体の基盤となっている。
### 信頼性の位置づけ
「信頼性はあらゆるプロダクトの最も基本的な特性である(reliability is the most fundamental feature of any product)」と述べ、信頼性をプロダクトのフィーチャの一つではなく、すべてのフィーチャの前提条件として位置づけた。ユーザがアクセスできないシステムは、どれほど優れた機能を持っていても無価値である。
### エラーバジェットの概念
100% の信頼性を目標とすべきではないという認識のもと、エラーバジェット(error budget)の概念を導入した。許容されるダウンタイムの範囲内で開発速度と信頼性のバランスを取る仕組みであり、SRE と開発チームの協働を構造化する鍵となった。
→ [[サービスレベル目標]]
## SRE 組織の構築
Treynor Sloss のもとで Google SRE は数百人規模から 1,000 人超のエンジニアリング組織に成長した。SRE エンジニアの採用基準としてソフトウェアエンジニアリング能力を重視し、「運用チーム」ではなく「エンジニアリング組織」としての SRE のアイデンティティを確立した。
## 関連
- [[SRE Book]]: Treynor Sloss の思想を体系化した書籍
- [[@2016__OReilly__SRE Book - Chapter 34 Conclusion]]: SRE 組織の成長と今後の展望
- [[@2016__OReilly__SRE Book - Part III Practices]]: SRE 実践体系の全体像
- [[Google]]: 所属組織
## 出典
- Ben Treynor Sloss, "Introduction," in *Site Reliability Engineering*, O'Reilly, 2016