# BACON ## 概要 BACON は、いくつかの形態を持つ発見体系であり、数値データの塊の中に不変量を発見できる。P. Langley, H. A. Simon, G. L. Bradshaw, J. M. Zytkow による *Scientific Discovery: Computational Explorations of the Creative Process*(The MIT Press, 1987)に詳しい。(Source: [[@1996__MITPress__The Sciences of the Artificial - Chapter 4 Remembering and Learning - Memory as Environment for Thought]] "Rediscovering Classic Physics" p.107) ## 再発見した法則 - 惑星の太陽からの距離と公転周期のデータから、周期の 3 乗と距離の 2 乗の比がすべての惑星で同じであること、すなわち Kepler の第 3 法則を発見する。 - 回路中の抵抗線の長さによる電流の変化のデータから Ohm の法則を推論する。 - 同様の仕方で気体の法則、Galileo の落体の法則、その他多数を見つける。 (Source: ch.4 p.107) ## 新しい概念の導入 BACON は見つけた不変量を説明するために新しい概念を導入する。2 物体が互いを加速するとき加速度の比が常に同じであることを示すデータが与えられると、**質量**の概念を発明し、各物体に質量を結びつける。同様に(Snell の法則における)屈折率、比熱、化学的原子価の概念を発明する。(Source: ch.4 p.107) ## 機構 基本構成に目新しいものはほとんどない。 1. 2 つのデータ集合が与えられる。 2. 一方が他方と単調に(正または逆に)変化することを見出せば、その比(または積)が不変かを検査する。 3. 成功すればデータ中の法則的関係を発見したことになる。失敗すれば新しい変数を定義し、それを他の変数に加えて過程を繰り返す。 この体系の振る舞いで注目すべきなのは、上述の種類の法則をこの手続きで見つけるのに**大規模な探索を要さない**ことである。不変量を見つけるのに元の変数の関数を十数個より多く検査する必要があることは稀である。(Source: ch.4 p.107) ## 位置づけ - BACON のシミュレーションは物理学・化学の歴史上の発見事例と比較されており、被験者が発見を試みる並行実験も実験室で行われ、BACON および科学史の記録と比較されている。(Source: ch.4 p.107-108) - Simon は AM と BACON およびその後継が、発見の過程が人間の認知に新しい種類の複雑さを持ち込まないと信じる理由を与えると述べる一方、体系自身にとってだけでなく**世界にとっても新奇な**発見をしたときにこの論証はより説得的になるとし、1996 年時点でその検定は通過されていないと明記している。(Source: ch.4 p.108) ## 関連 - 概念: [[計算による科学的発見]] / [[ヒューリスティック探索]] / [[問題の理解と表現]] - 人物: [[Herbert A. Simon]] - 実体: [[UNDERSTAND]] / [[EPAM]] - 章: [[@1996__MITPress__The Sciences of the Artificial - Chapter 4 Remembering and Learning - Memory as Environment for Thought]] ## 出典 - Herbert A. Simon, *The Sciences of the Artificial*, third edition, The MIT Press, 1996, Chapter 4, pp. 105-108. - P. Langley, H. A. Simon, G. L. Bradshaw and J. M. Zytkow, *Scientific Discovery: Computational Explorations of the Creative Process*, Cambridge, MA: The MIT Press, 1987.