# Ascher Shapiro ## 概要 Ascher Shapiroは、マサチューセッツ工科大学(MIT)でJoseph Keenanのもとで1946年に機械工学の博士号を取得し、後に同大学機械工学科の教授となった工学者である。1953年に出版した圧縮性流れに関する2巻本の第1巻で、Jerome HunsakerとBrandon Rightmireの1947年の教科書に続く、より完成度の高い形の制御体積解析を提示した。質量・運動量(線形・角)・エネルギーの制御体積方程式を圧縮性流体について統一的に導出し、エントロピーに関する制御体積の関係式を初めて示した。(Source: [[@1990__JohnsHopkins__What Engineers Know and How They Know It - Chapter 4 A Theoretical Tool for Design - Control-Volume Analysis, 1912-1953|Chapter 4]], p.125-126) 著者Vincentiは、流体の境界追跡が困難であることを説明する箇所でShapiroの言葉を引いている。「流体は極めて動きやすく、それゆえ与えられた質量の流体の境界を、目立った時間にわたって特定するのは難しい……流体が運動しているとき、それゆえ、固定された同一性を持つ特定の質量という観点で考えるよりも、流体が流れ通り抜けるある与えられた空間の体積という観点で考える方が単純である。」(Source: [[@1990__JohnsHopkins__What Engineers Know and How They Know It - Chapter 4 A Theoretical Tool for Design - Control-Volume Analysis, 1912-1953|Chapter 4]], p.115-116) Shapiro自身の回想として、Hunsaker & Rightmireの本が出版された頃にはすでに制御体積についての自分の考えが「かなりの程度形成され発展していた」こと、それらの考えが「ほぼ間違いなく同じ源泉、すなわちドイツの当該概念の発展から来ていた」ことが引用されている。彼のPrandtl-Tietjens講義録英訳本の当該箇所は「よく使い込まれ手垢のついた」状態だったという。ゲッティンゲンの元助手Heinrich Peters(MIT在籍1931-1940年)の講義や、Prandtlと文通していたRichard von Misesからの影響も経由地として言及される。Shapiroは自著が「制御体積の概念を流体力学と熱力学の両方に適用する形で、首尾一貫した統一的な形に仕上げることが可能な時期に生まれた」と振り返っている。(Source: [[@1990__JohnsHopkins__What Engineers Know and How They Know It - Chapter 4 A Theoretical Tool for Design - Control-Volume Analysis, 1912-1953|Chapter 4]], p.126-127) ## 関連 - source: [[@1990__JohnsHopkins__What Engineers Know and How They Know It - Chapter 4 A Theoretical Tool for Design - Control-Volume Analysis, 1912-1953]] - concept: [[制御体積解析]] - 関連人物: [[Ludwig Prandtl]] ## 出典 - Walter G. Vincenti, *What Engineers Know and How They Know It*, The Johns Hopkins University Press, 1990, Chapter 4, pp. 115–127.