## AWS Lambda Amazon Web Services が提供するサーバーレスのイベント駆動型コンピュートサービス。Function-as-a-service (FaaS) カテゴリに属し、2015 年にリリースされた。 ## 特徴・スペック(2023 年時点) - **スケール**: 単一顧客に対して毎秒最大 15,000 コンテナの起動が可能 - **同時ワークロード**: 数百万の固有顧客ワークロードを処理 - **冷起動時間(コールドスタート)**: 最短 50ms - **コンテナイメージサイズ**: 最大 10GiB(2020 年から対応) - **仮想化**: Firecracker MicroVM による隔離 - **リクエストレート**: 毎秒数百万リクエスト ## インフラアーキテクチャ フロントエンド(ロードバランサー) → Worker Manager(ステートフルなスティッキー LB) → Worker(多数の MicroVM を保持)という構成。各 MicroVM は Firecracker ハイパーバイザー上で動作し、virtio-blk / virtio-net インタフェース経由でのみ外部と通信する。コンテナイメージのロードは [[@2023__ATC__On-demand Container Loading in AWS Lambda]] で説明される 3 階層キャッシュ + イレイジャーコーディング + 収束暗号化の仕組みで実現している。 ## オブザーバビリティ計装での位置づけ `Observability Engineering`(2nd Edition)第7章は、AWS Lambda のようなサーバーレス環境における OpenTelemetry 計装の勘所を論じる。コールドスタート時間とメモリの制約から、汎用の自動計装よりも小さく設計されたカスタム計装を優先すべきで、豊富な属性を持つ単一のよく設計されたスパンの方が、多数のスパンからなる複雑な階層構造よりも優れることが多いとする。パフォーマンスが最優先の場合、関数側ではステートレスな SDK が生イベントのみを送出し、拡張レイヤー内のステートフルな SDK と [[OpenTelemetry]] Collector がそれをスパンへ組み立てる「statelessLambda tracing」戦略も選択肢になる(Collector 側の実装が複雑化するトレードオフを伴う。→ [[OBI]])。(Source: [[@2026__OReilly__Observability Engineering 2E - Chapter 7 Instrumenting Your Code with OpenTelemetry]]) ## コスト最適化の勘所 `Observability Engineering`(2nd Edition)第20章は、AWS Lambdaのコストドライバとして実行時間に加え、コールドスタート時の初期化コスト(依存先への新規接続確立、データセットのメモリロード等)がクライアント側に転嫁され課金対象になる点を指摘する。これを可視化するには、メイン関数開始時点でスパンを作り初期化完了時点で終端し、各呼び出しごとに「running」スパンと、フリーズ直前に開始し解凍後に送出する「sleeping」スパンを持たせるOpenTelemetry計装が推奨される。Lambda Power Tunerは異なるサイジングパラメータで関数を多数回実行し、CPU×実行時間のコスト関数を最小化するツールとして紹介される。プロビジョンドコンカレンシーは、手動キャパシティ計画が必要な上に有意な割引もなく、永続アプリケーションのように初期化コストを長期間で償却する利点も得られないため、コールドスタート対策として推奨されない。また[[Honeycomb.io]]の[[Retriever]]では、S3読み取りリクエストのコストがサーバーレスワーカー実行コストの約25%を占め、コンピュートの最適化だけでは総所有コストの削減に限界があると報告される。(Source: [[@2026__OReilly__Observability Engineering 2E - Chapter 20 Performance Engineering with Observability]] "Cost Optimizing Serverless") ## 関連 source - [[@2023__ATC__On-demand Container Loading in AWS Lambda]] — コンテナローディングシステムの詳細 - [[@2026__OReilly__Observability Engineering 2E - Chapter 7 Instrumenting Your Code with OpenTelemetry]] — サーバーレス環境でのOpenTelemetry計装の設計指針 - [[@2026__OReilly__Observability Engineering 2E - Chapter 20 Performance Engineering with Observability]] — コールドスタートのコスト計装とLambda Power Tunerによるサイジング最適化