# 入門 監視 ## 概要 クラウドとマイクロサービスの時代に向けて、監視の原則と実践をツール非依存で説く実務書である。第Ⅰ部で監視のアンチパターンとデザインパターン、アラート・オンコール・インシデント管理、統計の基礎を示し、第Ⅱ部でビジネス・フロントエンド・アプリケーション・サーバ・ネットワーク・セキュリティの層ごとに何を監視するかを述べる。監視の定義には、Greg Poirier が Monitorama 2016 で示した「システムやそのコンポーネントの振る舞いや出力を観察しチェックし続ける行為」を採る(はじめに)。日本語版には、[[Mackerel]] の開発に携わる [[松木雅幸]] による付録 C「実践 監視SaaS」が書き下ろしで加わっている。 ## 書誌情報 - 原題: *Practical Monitoring: Effective Strategies for the Real World*(O'Reilly Media, 2018) - 日本語版: 『入門 監視 ――モダンなモニタリングのためのデザインパターン』、[[オライリー・ジャパン]]、2019 年 1 月 16 日初版第 1 刷(奥付) - 著者: [[Mike Julian]] / 訳者: [[松浦隼人]] / 付録 C 執筆: [[松木雅幸]] - ISBN: 978-4-87311-864-2 - 構成: 全 11 章と付録 A〜C。第Ⅰ部「監視の原則」(1〜4 章)、第Ⅱ部「監視戦略」(5〜11 章) ## 構成と主要テーマ ### 第Ⅰ部: 監視の原則(1〜4 章) 監視の考え方の土台。避けるべき型と従うべき型を対にして示し、アラートと人の運用、閾値を支える統計へ進む。 → [[@2019__OReillyJapan__入門 監視 - Chapter 1 監視のアンチパターン]] — ツール依存・役割としての監視・チェックボックス監視・監視を支えにする・手動設定の 5 つを退ける → [[@2019__OReillyJapan__入門 監視 - Chapter 2 監視のデザインパターン]] — 組み合わせ可能な監視・ユーザ視点・作るのではなく買う・継続的改善の 4 パターン → [[@2019__OReillyJapan__入門 監視 - Chapter 3 アラート、オンコール、インシデント管理]] — アラートの経路分け・自動化、4 人ローテーションのオンコール、役割分離したインシデント対応と非難しない振り返り → [[@2019__OReillyJapan__入門 監視 - Chapter 4 統計入門]] — 固定閾値の限界と、平均・中央値・周期性・パーセンタイル・標準偏差の使いどころ ### 第Ⅱ部: 監視戦略(5〜11 章) ユーザに近い層から順に、層ごとに最初に見るべき指標と手段を挙げ、最後に架空サービスで全体を組み立てる。 → [[@2019__OReillyJapan__入門 監視 - Chapter 5 ビジネスを監視する]] — 経営層の KPI を機能ごとの失敗率とレイテンシに結び付け、指標は人と話して見つける → [[@2019__OReillyJapan__入門 監視 - Chapter 6 フロントエンド監視]] — 遅延の事業損失を踏まえ、Navigation Timing API による RUM を中心にシンセティック監視を CI に組み込む → [[@2019__OReillyJapan__入門 監視 - Chapter 7 アプリケーション監視]] — StatsD による計測、デプロイマーカー、/health、構造化ログ、分散トレーシング → [[@2019__OReillyJapan__入門 監視 - Chapter 8 サーバ監視]] — OS メトリクスは診断用に集め、サービス別の指標とデッドマン装置によるジョブ監視、ログ管理を扱う → [[@2019__OReillyJapan__入門 監視 - Chapter 9 ネットワーク監視]] — SNMP の限界と隔離、インタフェイス・構成管理・ルーティング・フロー監視・キャパシティプランニング → [[@2019__OReillyJapan__入門 監視 - Chapter 10 セキュリティ監視]] — リスクに応じた水準選択、コンプライアンス、auditd、HIDS(rkhunter)、NIDS とタップ配置 → [[@2019__OReillyJapan__入門 監視 - Chapter 11 監視アセスメントの実行]] — 架空サービス Tater.ly で KPI からアラートまでを洗い出す演習 ### 付録 → [[@2019__OReillyJapan__入門 監視 - Appendix A 手順書の例 Demo App]] — 3 章で勧める手順書(ランブック)の記入例 → [[@2019__OReillyJapan__入門 監視 - Appendix B 可用性表]] — 可用性の各水準に対応する許容ダウンタイム表 → [[@2019__OReillyJapan__入門 監視 - Appendix C 実践 監視SaaS]] — 日本語版書き下ろし。監視 SaaS の意義・選定・導入・活用と「監視の民主化」 ## 影響と位置づけ 特定ツールの解説ではなく、監視を「アラートを出す仕組み」ではなく「システムに質問を投げかける仕組み」と捉え直す原則書である(2 章)。層別の戦略は SRE 系の書籍と重なる部分が多く、オンコールやヘルスチェックの扱いでは差異もある([[オンコール]]、[[ヘルスチェック]] の観察を参照)。 ## 関連 - 概念: [[ランブック]] / [[ヘルスチェック]] / [[セキュリティ監視]] / [[アクショナブルアラート]] / [[オンコール]] / [[ビジネスモニタリング]] / [[リアルユーザモニタリング]] / [[ネットワーク監視]] - 実体: [[StatsD]] / [[Mackerel]] / [[collectd]] / [[Graphite]] / [[Nagios]] ## 出典 - Mike Julian 著、松浦隼人 訳, *入門 監視*, オライリー・ジャパン, 2019(奥付・権利表記・はじめに). - 各章の要約は上記の章 source ページを参照。