# モリスワーム モリスワームは、1988年に当時コーネル大学の学生だったRobert Morrisが作ったコードがインターネット上のホストに侵入し増殖を繰り返したことで、インターネット上の数千台のホストを麻痺させた事件であり、このコードは世界初の「ワーム」とみなされている。エンドシステムのセキュリティだけに依存することの限界を世の中に広く知らしめた出来事として、『ネットワークシステムについて語るときに我々の語ること』第8章で繰り返し参照される。(Source: [[@2026__LambdaNote__ネットワークシステムについて語るときに我々の語ること - Chapter 8 セキュリティ:負の目標]] ch.8 §8.3脚注) 当時のインターネットは、全デバイスがエンドシステムとしては互いに通信できるのがデフォルトの動作であり、それ以外の動作が必要な場合には途中にファイアウォールを入れる特別な措置が取られるアーキテクチャだった。モリスワームは、広く普及していたホストOSの複数の脆弱性に加え、インターネット自体がデフォルトで「どんなパケットも受け入れる」ポリシーだったことで拡散が可能になった(さらにワームのコード自体に潜んでいたバグのせいで被害が大きく拡大した)。この事件をきっかけに、ファイアウォールのような「点」で問題に対処するアプローチが積み重ねられ、セキュリティデバイスや技術の乱立を招くことになった。(Source: [[@2026__LambdaNote__ネットワークシステムについて語るときに我々の語ること - Chapter 8 セキュリティ:負の目標]] ch.8 §8.3, §8.4) Saltzer と Schroeder(1975)が示した「フェイルセーフなデフォルト(デフォルトはアクセス不可とすべき)」という原則の観点から見ると、モリスワーム当時のインターネットの長年のデフォルト(どのデバイスも他の任意のデバイスにパケットを送れる)はこの原則とほぼ真逆だった。ネットワークセキュリティをエンドシステムだけに任せるわけにいかないことがモリスワームによって示され、これに気付いたことが、その後のセキュリティ改善の一因になったとされる。(Source: [[@2026__LambdaNote__ネットワークシステムについて語るときに我々の語ること - Chapter 8 セキュリティ:負の目標]] ch.8 §8.7) ## 関連 - [[ネットワークセキュリティアーキテクチャ]] / [[エンドツーエンド論]] - [[Cornell University]] — Robert Morrisが在籍していた大学 - [[@2026__LambdaNote__ネットワークシステムについて語るときに我々の語ること - Chapter 8 セキュリティ:負の目標]] ## 出典 - [[@2026__LambdaNote__ネットワークシステムについて語るときに我々の語ること - Chapter 8 セキュリティ:負の目標]](ch.8 §8.3, §8.4, §8.7)