# VPLS ## 定義 VPLS(Virtual Private LAN Service)は、MPLS ネットワーク越しに複数拠点をあたかも単一の LAN として接続する L2VPN 技術であり、RFC 4664(フレームワーク)・RFC 4761(BGP による自動発見とシグナリング)・RFC 4762(LDP によるシグナリング)で規定される。PE(Provider Edge)間の MAC アドレス学習は伝統的なイーサネットブリッジングと同様にデータプレーンで行われる。実績があり広く展開された技術だが、マルチホーミングと冗長性、マルチキャスト最適化、プロビジョニングの簡素性、フローベースの負荷分散とマルチパスという点で限界を抱え、これらはデータセンター展開で特に問題になる。この限界への対処として [[EVPN]] が設計された。(Source: [[@2015__RFC__BGP MPLS-Based Ethernet VPN]] §1) ## VPLS から EVPN への設計転換 VPLS の PE 間 MAC 学習はデータプレーンで行われるため、PE 障害時の収束は個々の MAC アドレスのタイムアウト(エージングアウト)を待つ必要があり遅い。また CE 側のマルチホーミングでは、ロードバランサのハッシュにより特定 MAC アドレスが単一の PE からしか観測されず、他の接続 PE 経由の負荷分散が構造的に難しい。EVPN はこれらを MP-BGP によるコントロールプレーン学習へ置き換えることで解決する——学習の場所(データプレーン vs コントロールプレーン)というただ一点の設計選択が、収束速度と負荷分散能力の質を大きく左右する事例になっている。 BUM(broadcast/unknown-unicast/multicast)トラフィックの split-horizon フォワーディングルールなど、VPLS で確立された手続きの一部は EVPN にもそのまま継承されている(RFC 7432 §12「Processing of Unknown Unicast Packets」は VPLS の split-horizon 規則を明示的に借用したと述べる)。P2MP LSP による Inclusive tree / Aggregate Inclusive tree の概念(RFC 7117)も EVPN の Inclusive Multicast Ethernet Tag ルートにそのまま引き継がれている。 ## 未解決の問い - 本ページは EVPN 側の一次資料(RFC 7432)における VPLS への言及からのみ記述されており、VPLS 自体の一次資料(RFC 4761/4762/4664)は本 vault では未取り込みである。VPLS 単体の詳細な技術機構(PW シグナリング・LDP ベースの自動発見等)は今後の ingest で補う必要がある。