# 70%問題 ## 定義 Google Chromeのユーザー体験責任者[[Addy Osmani]]が提唱した観察。エンジニアはAIコーディングツールによって劇的な生産性向上を報告する一方、日常的に使うソフトウェアの品質が目に見えて向上している実感は乏しいという乖離を指す。非プログラマがAIコード生成ツールを使うと、デモや簡単な問題では優れた成果を出せるが、複雑な本番プログラムの「最後の30%」で行き詰まる。これはコードをデバッグしAIを正しい解へ誘導するのに十分な工学的知識を持たないためである。経験豊富なエンジニアがAIツール(Cursor・Copilot等)を使う様子は魔法のように見えるが、実際には長年培った工学的判断力でAI出力を制約・整形しており、その専門性がコードの保守性を保っている。経験の浅い開発者はこの手順を見落としやすく、一見完成しているが実運用の圧力で崩壊する「トランプの城のようなコード」(house of cards code)を生み出しがちだとされる。(Source: [[@2025__OReilly__The End of Programming as We Know It]]) ## 横断的知見 - (2026-08-16時点、本概念は1ソースのみ。複数ソースを突き合わせた横断的知見は今後の ingest で蓄積する) ## 未解決の問い - 「最後の30%」を埋める工学的判断力は具体的にどのようなスキル要素(デバッグ能力・要件分解・テスト設計等)に分解できるか。定量的なベンチマークで70%問題の存在自体を検証した研究はあるか。 - ジュニアエンジニアが「トランプの城のようなコード」を生みやすいという観察は、AIコーディングエージェントの本番トレース分析([[エージェント型コーディング]]で扱う[[@2026__arXiv__Agentic Coding in the Wild - Characterizing GitHub Copilot at Production Scale]]等)の失敗パターンと接続するか。 ## 関連 - [[Addy Osmani]] — 本概念の提唱者 - [[@2025__OReilly__The End of Programming as We Know It]] — 初出ソース - [[エージェント型コーディング]] — AIコーディングエージェントの技術的挙動を扱う隣接概念(本番トレース・RL訓練等) ## 出典 - [[@2025__OReilly__The End of Programming as We Know It]]