# 400 Gb/s/レーン (SerDes) Navigation: [[../index|index]] | [[../overview|overview]] ## 定義 400 Gb/s/レーン(業界呼称 448G、IEEE のプロジェクト名は P802.3dv)は、SerDes(直並列変換)1レーンあたりの信号速度を現行の224G(200 Gb/s/レーン)から倍増させる次世代 Ethernet 物理層規格である。OIF の CEI(Common Electrical I/O)系譜では 56G(2014-2017)→112G(2017-2021)→224G(2021-)→448G(2026-)とレーンあたり速度が倍々で伸びてきたが、電気側の変調方式(PAM4/PAM6/PAM8)と inner FEC の有無は、2026年8月時点でも標準化団体間で未決定(TBD)である。(Source: [[@2026__SpeakerDeck__AIのためのEthernet技術動向 (SerDes)]]) ## 変調方式(PAM4/PAM6/PAM8)のトレードオフ 過去3世代(56G/112G/224G)は変調がすべて PAM4 だったが、448G は初めて変調方式が TBD になった。「224Gと同等の到達距離を448Gで得るのは極めて難しい」とされ、Nyquist 周波数が上がるほど帯域の足りない銅チャネルには不利になる。448 Gbps の Nyquist 周波数は PAM4 で 112 GHz(224 GBd)、PAM6 で 89.6 GHz(179.2 GBd)、PAM8 で 74.67 GHz(149.33 GBd)であり、高次変調はチャネル帯域の要求を下げる代わりに SNR を犠牲にする(PAM4 比で PAM6 は -4.44 dB、PAM8 は -7.36 dB)。「PAMn の選択はチャネル帯域に決定的に依存する」とされ、チャネル帯域が90 GHz程度に留まるなら高次変調が必要になるが、IMDD 光との不整合、448G LPO が成立しない、より強い FEC が必要になるという副作用が伴う。(Source: [[@2026__SpeakerDeck__AIのためのEthernet技術動向 (SerDes)]]) ## inner FEC をめぐる論点 現行の RS(544,514)(KP4)を土台の FEC として残す点は Huawei・Alphawave・Broadcom・Cisco で見解が揃うが、その内側にもう一段の FEC(inner FEC)を「入れる」か「入れられるようにする」かは対立点である。複数の提案に共通するのは「inner FEC を常時必須とせず、必要に応じて使えるようにする」方向だが、FEC は符号利得・オーバヘッド・レイテンシの三すくみであり、方式は IEEE P802.3dv の Objective にも未記載である。(Source: [[@2026__SpeakerDeck__AIのためのEthernet技術動向 (SerDes)]]) ## P802.3dv の標準化状況(2026年8月時点) - 2026年3月、CFI(賛成122・反対0・棄権1)可決 → 400GPL スタディグループ設立。 - 2026年6月、400GPL が目的(Objectives、全12項目)を採択。 - 2026年7月、WG が目的承認、LMSC がドラフト PAR・CSD 承認 → IEEE P802.3dv として正式発足。 - 決定済みの Objective: 光は1/2/4対のSMFで少なくとも500mまで(400G/800G/1.6T)、銅はtwinax銅ケーブルで少なくとも1mまで、BERはMAC/PLSサービスインタフェースで10⁻¹³以下、バックプレーンは対象から除外。 - 未記載のまま: 変調方式(PAM4/PAM6/PAM8)とinner FEC。「決まったのは枠組みであり、技術選択ではない」。 - 2026年9月21-25日のIEEE-SA標準化委員会(SASB)会合でPARが承認されて初めてタスクフォースが発足し、変調とFECの判断がその手に渡る見込み。 (Source: [[@2026__SpeakerDeck__AIのためのEthernet技術動向 (SerDes)]]) ## 標準化団体の分業 IEEE 802.3 が物理層規格(変調・FEC・PHY/インタフェース)、OIF がパッケージ内〜1m級・バックプレーン(CEI-448G-LR)を実装合意として仕様化、UEC(Ultra Ethernet Consortium)がMACより上の信頼性機構(LLR・CBFC)を定義して物理層への要求を逆算してIEEEに伝える、OCPがシステム/ラック/モジュールの実装形態(ORv3/OAM/ESUN)、SNIA/SFFが共通のCOM(Channel Operating Margin)パラメータセットを整備、MSA群(2026年3月〜、OCI/Open CPX/XPO)が実装の形を決める、という分業が成立している。規格団体が「何を満たすか」を決め、MSAが「どんな部品で実現するか」を決める構造。(Source: [[@2026__SpeakerDeck__AIのためのEthernet技術動向 (SerDes)]]) ## 横断的知見 現時点では単一ソースのみ。2ソース目以降に横断的知見を積み増す。 ## 未解決の問い - P802.3dv タスクフォース(2026年9月以降発足見込み)が変調方式(PAM4/PAM6/PAM8)をどう決定するか。XPO MSA の PAM6 シミュレーション結果(実測は2026年9月末見込み)が判断材料になるか。 - inner FEC を「必要に応じて使えるようにする」という方向性が、最終仕様でどう条文化されるか(オプション扱いか、ネゴシエーション機構を伴うか)。 - 前面パネルまでの銅チャネルを残すかどうかという分岐点(論点4: CPOとプラガブルの線引き)が、448Gの変調方式選択とどう相互作用するか。 ## 関連 - 概念: [[Ultra Ethernet]](UECはP802.3dvへ物理層要求を逆算する立場) / [[Co-Packaged Copper (CPC)]] / [[ビーチフロント制約]] / [[光トランシーバー電力方式]] / [[CMIS]] - ソース: [[@2026__SpeakerDeck__AIのためのEthernet技術動向 (SerDes)]] ## 出典 - [[@2026__SpeakerDeck__AIのためのEthernet技術動向 (SerDes)]]