# 自己圧縮
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## 定義
自己圧縮(self-compaction)は、エージェントが生の context window の上限に近づいた際、自らの作業状態を要約し、その自己生成サマリーから作業を再開する能力を学習させる訓練手法だ。RL 訓練中にモデルは (1) より情報密度の高い簡潔なサマリーを書くこと、(2) そのサマリーをより良く活用して作業を継続することの両方を同時に学習する。生の context window という物理的な制約を超えてタスクの実行時間軸(タスクホライゾン)を延長する点が核心であり、単なる要約(要点抽出)ではなく「要約から作業を継続できる」ことまでを訓練目標に含む(Source: [[@2026__Cognition__SWE-1.7 - Frontier Intelligence at a Fraction of the Cost]])。
## 横断的知見
- **[[Cognition]] は Kevin-32B → SWE-1.7 の順で自己圧縮を適用範囲を拡大している**。最初に [[Kevin-32B]] の CUDA カーネル最適化タスクで手法を検証し、その後 [[SWE-1.7]] のエージェント型ソフトウェアエンジニアリングという、より長期・より多様なタスク集合へ拡張した。自己圧縮によって SWE-1.7 の訓練 rollout は最大 6 時間に及ぶ(Source: [[@2026__Cognition__SWE-1.7 - Frontier Intelligence at a Fraction of the Cost]])。
- **交互長さペナルティと組み合わせて初めて効果が出る設計**。自己圧縮だけでは応答が際限なく長くなりうる問題([[DeepSeek-R1]] が示した RL 訓練で応答長が伸び続ける傾向)を抑えられないため、SWE-1.7 は「制約なしフェーズ」(タスク成功のみ最適化)と「予算フェーズ」(トークン・ターン・ツール呼び出し時間の重み付きコストに予算を設定しペナルティを課す)を交互に切り替える戦略と併用する。この組み合わせにより、簡単なタスクでは応答が圧縮され、難タスクでは長期思考が保持される(Source: [[@2026__Cognition__SWE-1.7 - Frontier Intelligence at a Fraction of the Cost]])。
## 未解決の問い
- 自己圧縮によるサマリー生成の質(何を残し何を捨てるか)を、タスクドメインを跨いで定量評価する共通指標はまだ確立されていない。
- 自己圧縮とエージェントメモリ(長期記憶の外部化)は概念的に近い([[エージェントメモリ]]参照)が、両者を組み合わせた場合の相互作用(メモリが自己圧縮の要約対象に含まれるか等)は未整理。
- 交互長さペナルティの「予算」の設計(トークン・ターン・ツール呼び出し時間の重み付け比率)がタスクドメインごとにどう変わるべきかは、SWE-1.7 の記事からは読み取れない。