# 満足条件 ## 定義 満足条件とは、プロジェクトの成功を測定するための基準であり、顧客やプロダクトオーナーが達成すべきと考える目標の集合である。あらゆるプロジェクトには達成すべき目標が複数あり、たとえば「世界最高のワープロを開発する」という目標のほかにも、スケジュールや予算、品質といった面での達成目標がある。こうした達成目標がすなわち満足条件であり、明示的なものだけでなく、レポートの体裁が整っていることや自分自身で書いたものであることのような、当然視されて言語化されにくい隠された満足条件も含まれる。(Source: [[@2009__Mynavi__アジャイルな見積りと計画づくり - Chapter 3 アジャイル手法]] §2-2) 満足条件は、原本の対象範囲においてリリースプランニングとイテレーションプランニングという2つの計画づくりを駆動する起点として位置づけられる。 - **リリースプランニングにおける満足条件**: チームとプロダクトオーナーが協力しながらプロダクトオーナーの満足条件を探っていくことから始まる。スコープ・スケジュール・予算・品質といったプロジェクトによくある項目はすべて満足条件の対象になるが、アジャイルチームは品質については譲歩できないと考えていることが多い。すべての満足条件を満たす方法が見つからない場合は、満足条件自体を変えなければならない。そのためリリースプランニングと満足条件の探索は何度も繰り返される。(Source: [[@2009__Mynavi__アジャイルな見積りと計画づくり - Chapter 3 アジャイル手法]] §2-2) - **イテレーションプランニングにおける満足条件**: リリースプランニングと同様に満足条件の検討から始まるが、ここでの満足条件は次に実装してほしいフィーチャと、そのフィーチャに対する概要レベルのテストとして表現される。プロダクトオーナーとチームは、イテレーションのすべての満足条件を満たす方法をめぐって議論を重ねる。(Source: [[@2009__Mynavi__アジャイルな見積りと計画づくり - Chapter 3 アジャイル手法]] §2-2) ![[wiki/sources/_attachments/agile-estimating-and-planning-ja/ch03-fig3.2-conditions-of-satisfaction.png]] (図3.2 満足条件がリリースとイテレーションの計画づくりを駆動する。リリースの満足条件(ユーザーストーリー・予算・スケジュール)はリリースプランニングへ、イテレーションの満足条件(ユーザーストーリー・受け入れテスト)はイテレーションプランニングへ入力され、フィーチャが追加された状態の開発成果がそれぞれの満足条件へフィードバックされる。Source: [[@2009__Mynavi__アジャイルな見積りと計画づくり - Chapter 3 アジャイル手法]] §2-2) この図が示すフィードバックループは、プロダクトへ追加したフィーチャが、リリースとイテレーションそれぞれの入口である満足条件へとフィードバックしていることを表す。プロダクトへの追加機能の開発を通じて開発チームが得た知見や、機能が追加された状態のプロダクトをユーザーやユーザー候補に見せて得られる新たな発見は、次回以降の計画づくりに活かされる。もしそうした発見があれば計画は変更すべきであり、アジャイルチームはこうした変化を計画に取り込むことでプロダクトの価値を高めていく。(Source: [[@2009__Mynavi__アジャイルな見積りと計画づくり - Chapter 3 アジャイル手法]] §2-2) ## 横断的知見 - 現時点では [[@2009__Mynavi__アジャイルな見積りと計画づくり - Chapter 3 アジャイル手法]] のみが典拠であり、複数ソースを突き合わせた横断的知見はまだ蓄積されていない。本書の後続章(13章「リリース計画づくりの基本」、14章「イテレーション計画づくり」など)が ingest され次第、ここに積み増す。 ## 未解決の問い - リリースレベルの満足条件(スコープ・スケジュール・予算・品質)とイテレーションレベルの満足条件(フィーチャ・受け入れテスト)は、実際のリリースプランニング・イテレーションプランニングの手順の中でどのように収集・合意されるのか(13章・14章の範囲)。 - 品質についてアジャイルチームが「譲歩できない」満足条件として扱う場合、他の満足条件(スコープ・スケジュール・予算)との間でどうトレードオフを取るのか。 - 満足条件が満たせないと判明した場合に「満足条件自体を変える」とは具体的にどのような調整を指すのか(スコープ削減・期日変更・予算増額のいずれか、あるいは組み合わせか)。 ## 関連 - 概念: [[プランニング・オニオン]] — リリース・イテレーション水平線での計画づくりを、満足条件が駆動する。[[アジャイルな計画づくり]] / [[リリース計画づくり]] - 実体: [[Mike Cohn]] - source: [[@2009__Mynavi__アジャイルな見積りと計画づくり - Chapter 3 アジャイル手法]] - 書籍: [[wiki/entities/アジャイルな見積りと計画づくり|アジャイルな見積りと計画づくり]] ## 出典 - Mike Cohn 著, 安井力・角谷信太郎 監訳, 『アジャイルな見積りと計画づくり』, マイナビ, 2009, 3章.