# ポランニーのパラドックス ## 定義 ポランニーのパラドックス(Polanyi's paradox)とは、人が自分の持つ知識・能力の多くを明示的に語ることができないという現象を指す。ハンガリー出身の科学者[[Michael Polanyi]]が「我々は語れる以上のことを知っている」と表現したことに由来する。人は日常生活で膨大かつ高度な情報処理(感覚情報の統合、言語運用、他者の心の推定、経験からの因果関係の推定など)を無意識下で実行しており、どのように実現しているかを自分自身が意識できないため、その知識を明示的なルールや手続きとして書き出すことができない。(Source: [[@2022__Gihyo__ディープラーニングを支える技術 - Chapter 1 ディープラーニングと人工知能]]) ## 横断的知見 - 今後の取り込みで、複数ソース間の関係を追記する。 ## 未解決の問い - ポランニーのパラドックスは、人工知能研究において記号処理(ルールを明示的に書き下す)からニューラルネットワーク(データから暗黙のパターンを学習する)への移行の理論的動機の一つとしてどこまで明示的に議論されてきたか。他のソースでの言及を確認したい。 - 現在のディープラーニングは大量のデータからパターンを学習することでポランニーのパラドックスを部分的に回避しているとみなせるか。その場合、モデルが獲得した「暗黙知」を人が事後的に解釈可能にする研究(機構的解釈性等)とどう関係するか。→ [[機構的解釈性]] ## 関連 - 人物: [[Michael Polanyi]] - 章: [[@2022__Gihyo__ディープラーニングを支える技術 - Chapter 1 ディープラーニングと人工知能]] ## 出典 - 岡野原大輔, 『ディープラーニングを支える技術』, 技術評論社, 2022, 第1章 §1.1. - Michael Polanyi, 『暗黙知の次元 - 言語から非言語へ』, 紀伊國屋書店, 1980.