# ホモフィリー ## 定義 ホモフィリーとは、人は自分に類似した他者と友人関係を結びやすいという原理であり、社会ネットワークの構造を規定する最も基本的な性質の一つである(ch.4 §4.1)。友人集団はその人が属する母集団のランダムな標本ではなく、人種・民族のような不変な特性についてだけでなく、居住地・職業・裕福さ・関心・信条・意見のような可変な特性についても、集団として見れば本人に類似する傾向を持つ。この観察はプラトンやアリストテレスの記述、「類は友を呼ぶ」という諺にまで遡り、Lazarsfeld と Merton による 1950 年代の研究によって近代社会学に本格的に導入された。ホモフィリーの有無は数値的に検定でき、ある特性について性別が p:q の比率であるとき、無作為な結びつきのもとで期待される異質辺(cross-characteristic edge)の割合 2pq(2 値でない特性では一般化した異質辺割合)と実際の割合を比較し、実際の割合が有意に小さければホモフィリーの証拠、有意に大きければ逆ホモフィリー(inverse homophily)の証拠とみなす。ホモフィリーの背後には、既に似た者どうしが選び合う選択(selection)と、既存のつながりが可変な特性を友人に近づける社会的影響(social influence)という二つの異なる機序があり、単一時点の観測ではこの二つを区別できず、縦断データによる分析が必要になる。 ## 未解決の問い - 選択と社会的影響の相対的寄与は、特性の種類(不変/可変)やドメイン(オンライン/オフライン)によってどのように変わるか。 - Kossinets and Watts や Christakis and Fowler のような縦断的手法を、より多様なオフライン領域のデータに適用したとき、選択・社会的影響の切り分け結果はどの程度頑健か。 ## 未編纂の観察 ## 関連 - [[@2010__CambridgeUP__Networks, Crowds, and Markets - Chapter 4 Networks in Their Surrounding Contexts]] — 定義・数値検定・selection/social influence の機序の出典。 - [[Networks, Crowds, and Markets]] — 書籍本体。 ## 出典 - David Easley, Jon Kleinberg, *Networks, Crowds, and Markets*, Cambridge University Press, 2010, Chapter 4, §4.1–4.2.