# フェイルオーバー
## 定義
フェイルオーバー(failover)とは、分散システムやITインフラストラクチャにおいて、ハードウェア故障・ソフトウェア不具合・ネットワーク分断・計画的保守・災害等により稼働中のコンポーネント(ノード・ラック・データセンター・リージョン)が正常にサービスを提供できなくなった際、待機系または代替の計算系・ストレージ系へトラフィックや処理責務を迅速に切り替えて、サービスの可用性と業務継続性を担保する機構および運用手順である。
## 未解決の問い
- 超大規模マイクロサービスにおけるリージョンフェイルオーバーにおいて、数千のステートレスサービスで達成された差別化SLA・退去・動的バースト復旧の枠組みを、共有ストレージ・分散DB・インメモリキャッシュ等のステートフル層へ拡張する際の整合性とRTOの限界はどこにあるか。(Source: [[@2026__arXiv__Uber’s Failover Architecture - Reconciling Reliability and Efficiency in Hyperscale Microservice Infrastructure]])
- フェイルオーバー発火の意思決定において、完全自動化された検知・切り替えシステムと、財務的影響度や事業リスクを考慮した人間介在(human-in-the-loop)の切り分け基準をいかに定量化・形式化できるか。(Source: [[@2026__arXiv__Uber’s Failover Architecture - Reconciling Reliability and Efficiency in Hyperscale Microservice Infrastructure]])
## 未編纂の観察
- **[容量効率と信頼性の両立] 稀なフルピークフェイルオーバーに合わせた一律2x容量モデルの破棄と日和見的バッファ再利用**: Uberの4年間のインシデントデータ分析によれば、二地域active-active構成において全損規模のフルピークフェイルオーバーが発生する時間は年平均20時間未満(年間の0.23%)と極めて稀であった。これに対し、クリティカルサービス向けに待機させていたフェイルオーバーバッファに平常時は非クリティカルサービスをオーバーサブスクライブさせ、フェイルオーバー発生時に優先度に応じて退去・バーストクラスタ復元を行う差別化SLAモデル(UFA)を導入することで、可用性99.97%以上を維持しながら定常容量を2xから1.3xへ削減できる。(Source: [[@2026__arXiv__Uber’s Failover Architecture - Reconciling Reliability and Efficiency in Hyperscale Microservice Infrastructure]])
- **[依存関係安全性] フェイルオープン性の事前保証がフェイルオーバー時のカスケード障害を防ぐ前提条件**: サービスをフェイルオーバー時に優先度に応じて退去させるアーキテクチャでは、生き残るクリティカルサービスが退去対象サービスに対して「fail-close」(下位のエラーを上位へ伝播)依存を持っていると、下位停止がコア業務全損を招く。静的解析・動的RPC解析・カナリア遮断ゲートにより全依存のfail-open性を保証して初めて、安全なフェイルオーバーと容量共有が成立する。(Source: [[@2026__arXiv__Uber’s Failover Architecture - Reconciling Reliability and Efficiency in Hyperscale Microservice Infrastructure]])
## 関連
- ソース: [[@2026__arXiv__Uber’s Failover Architecture - Reconciling Reliability and Efficiency in Hyperscale Microservice Infrastructure]]
- 概念: [[ストレージフェイルオーバ]] / [[マルチリージョン]] / [[可用性]] / [[クラウドオーバーサブスクリプション]] / [[カスケード障害]] / [[グレイ障害]]
- 実体: [[Uber]] / [[Mayank Bansal]] / [[Milind Chabbi]]
- 関連 MOC: [[structures/SRE - MOC]]
## 出典
- [[@2026__arXiv__Uber’s Failover Architecture - Reconciling Reliability and Efficiency in Hyperscale Microservice Infrastructure]]