情報セクター I 個と冗長セクター R 個で構成されるグループを作り、任意の I 個のセクターから他の全セクターを復元できる消失訂正符号の一手法。情報セクターの線形結合として冗長セクターを生成する。I+R 個のセクターのうち任意の I 個で全データを復元できる。 ## Project Silica における多層 NC [[Project Silica]] はビット誤り・セクター消失・プラッター不可用を 3 層の NC で対処する: | 層 | 対象障害 | 設定 | 追加オーバーヘッド | |----|---------|------|------------------| | Within-track NC | トラック内独立セクター障害 | I_t ≈ O(100) + R_t ≈ O(10) | 〜8% | | Large-group NC | トラック内相関セクター障害 | 複数トラック間でグループ | 〜2% | | Cross-platter NC | プラッター不可用(シャトル・ドライブ障害) | I_p=16 情報プラッター + R_p=3 冗長プラッター | 〜19% | WORM 媒体の不変性により符号更新が不要なため、グループサイズを既存システム(例 10+4 = 14 プラッター)の数倍〜数十倍に設定できる。グループサイズが大きいほど障害耐性が指数的に向上する(二項分布の性質)。 Within-track NC ではセクター障害確率 10^-3 での復号失敗確率が 10^-24 未満。 ## 他手法との比較 - **RAID / 従来イレージャーコード**: メディアが可変(上書き可)であるため符号更新コストが高く、大きいグループサイズは現実的でない - **LDPC**: ランダムビット誤り向け。NC は消失(位置既知のセクター障害)向け。Project Silica は両方を組み合わせる(LDPC で voxel 誤り訂正 → 残余は NC でセクター消失として処理) ## 横断的知見 - WORM 媒体は符号更新不要性という副産物として、既存ストレージシステムで実現不可能な超大グループサイズの NC を可能にする。媒体の物理的制約がシステム設計の自由度を変える典型例 - Cross-platter NC でのリカバリーはプラッターセット内の 16 枚のマッチングトラックを並行読み出しする必要があり、リカバリーコストが通常アクセスより 16 倍重い(Volume ワークロードではこの増幅が律速になる) ## 未解決の問い - 超大グループサイズ NC(テープ等で現実的でなかった)が他のどの媒体・システムで活用可能か - Cross-platter NC のリカバリーコスト(16x 読み出し増幅)を軽減するスケジューリング戦略はあるか