# データセンター信頼性モデリング
## 定義
データセンター信頼性モデリングとは、データセンターが特定の運用条件下で意図した期間にわたりサービスを適切に遂行する確率(信頼性)、および修理可能なシステムとしての可用性を評価・予測する取り組みである。Tier分類による設計指針の評価、MTBF・MTTR・可用性等の指標の適用、解析的手法(Reliability Block Diagrams・故障木解析)とシミュレーションベース手法(Monte Carlo・Markovモデル)による評価、負荷区画(IT・IPCS・冷却)間の依存性分析を含む(Source: [[@2021__ACCESS__A Review of Data Centers Energy Consumption and Reliability Modeling]])。
## 未解決の問い
- Uptime InstituteのTier分類が前提とする決定論的手法(一定の故障率・修理率、系統電源の停止確率を無視)を、共通モード故障や電源経路のランダムな故障モードまで含めて確率論的に拡張したモデルはどこまで確立されているか。
- データセンター構成要素(PDU・PSU・冷却機器)の統計的故障・修理データは事業者の機密保持傾向により公開が乏しいとされる。この欠落を補う代替的なデータ源やモデリング手法(業界横断のベンチマーク等)は存在するか。
- 冷却区画の信頼性分析はIT負荷区画に比べて研究蓄積が薄いとされる。冷却系の信頼性がIT負荷のサービス可用性に及ぼす影響を定量化するモデルはどの程度確立されているか。
## 未編纂の観察
- Tier分類(Tier I〜IV)は電源供給経路の冗長性を基準とするが、冗長化がかえって共通モード故障により可用性を低下させうるという指摘がある。冗長性の増加は単純に可用性の増加を意味しない(Source: [[@2021__ACCESS__A Review of Data Centers Energy Consumption and Reliability Modeling]])。
- データセンター信頼性モデリングの方法論は解析的アプローチ(RBD・故障木解析)とシミュレーションベースアプローチ(Monte Carlo・Markov・MCMC・stochastic petri nets)の2群に大別され、後者はTier IVクラス(可用性5〜6ナイン)のような希少事象の評価で重要性が増すとされる(Source: [[@2021__ACCESS__A Review of Data Centers Energy Consumption and Reliability Modeling]])。
- 周囲温度の10°C上昇でIPCSのバッテリ寿命およびサーバー内受動素子の寿命がいずれも50%低下するという定量的知見があり、エネルギー効率向上(温度上昇によるフリークーリング拡大等)と信頼性維持がトレードオフの関係にあることを示す(Source: [[@2021__ACCESS__A Review of Data Centers Energy Consumption and Reliability Modeling]])。
## 関連
## 出典
- [[@2021__ACCESS__A Review of Data Centers Energy Consumption and Reliability Modeling]]