# アプリケーションカーネルによるHPC QoS監視 ## 定義 計算的に軽量なベンチマーク・アプリケーション(アプリケーションカーネル)を、通常のユーザーと同じ方法で本番ジョブキューへ定期的に投入し、HPCシステムのハードウェア・ソフトウェアの性能不足をプロアクティブに検知する手法である。初期ベンチマーク(システム稼働時・大型アップグレード時のみ実施)と、障害・失敗として顕在化してから初めて気づく受動的な検知との間にある「継続的な性能検証の空白」を埋める。 ## 未解決の問い - アプリケーションカーネルの実行頻度(検知速度)と計算オーバーヘッド(ユーザーワークロードへの圧迫)のトレードオフは、クラスタ規模・ワークロード特性に応じてどう最適化すべきか。 - アプリケーションカーネルの異常検知(プロセス制御アルゴリズムによる自動フラグ付け)は、どの程度の偽陽性率で運用されているか。定量的な評価は本論文には示されていない。 ## 未編纂の観察 - [定義] [[Application Kernel Remote Runner]](AKRR)は、[[Open XDMoD]]に統合されるQoS監視ツールであり、CCR(SUNY Buffalo Center for Computational Research)では8種類のアプリケーションカーネルが利用可能な全CPUサイクルの0.5%未満というごく小さいオーバーヘッドでデフォルト有効化されている。IOR(InterleavedOrRandom)アプリケーションカーネルが、コアネットワークスイッチのファームウェアアップグレードに起因するPanasas並列ファイルシステムの性能劣化を検知した実運用事例が報告されている (Source: [[@2015__CiSE__Open XDMoD - A Tool for the Comprehensive Management of High-Performance Computing Resources]])。 - アプリケーションカーネルによる能動的なシステムレベル検知(ハードウェア・ソフトウェア基盤の劣化)と、[[SUPReMM]]によるジョブレベル性能診断(個々のユーザージョブの非効率)は相補的なレイヤーであり、前者はセンター運用者向け、後者は個別ジョブのサポート介入(ユーザーとの協働によるCPU使用率35%未満から100%近くへの改善事例)に使われる (Source: [[@2015__CiSE__Open XDMoD - A Tool for the Comprehensive Management of High-Performance Computing Resources]])。 ## 関連 - [[Application Kernel Remote Runner]] — 本概念を実装するツール - [[HPCジョブ会計とリソース利用可視化]] — 受動的なジョブ会計を補完する能動的品質保証との対比 - [[Open XDMoD]] — アプリケーションカーネルが統合される親システム ## 出典 - [[@2015__CiSE__Open XDMoD - A Tool for the Comprehensive Management of High-Performance Computing Resources]]