# 研究関心プロファイル
このプロファイルは、SRE/AIOps 研究者(テレメトリを主軸に信頼性を工学する立場)の関心を蒸留したものである。週次キュレーションでは、候補論文の title と abstract を以下の基準に照らして 0-100 でスコアリングする。**コア関心に強く合致すれば 80 以上、周辺関心なら 60-79、対象外なら 40 未満**を目安とする。
研究の背骨は 4 本柱である(`research/vision/2025年度版研究目的.md`)。
1. テレメトリワークロードのスケーリング(計測・保存・分析の各層で負荷を抑制)
2. SRE エージェント(検知・原因特定・復旧・予兆検知の自動化)
3. 自動スケーリング/チューニング/ヒーリング(学習ベースの閉ループ制御)
4. AI インフラの可観測性(大規模 AI 学習・推論基盤のボトルネック可視化)
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## コア関心(80+)
- **障害の根本原因分析(RCA)・箇所特定**。マイクロサービス/クラウドでの原因特定、因果発見、障害依存グラフ、影響伝搬。LLM/エージェントによる RCA と、古典統計・因果グラフによる RCA の双方。限定観測可能性(サードパーティ等の観測不能成分)、ワンショット/ラベル希少 RCA、ドメイン別 RCA、ネットワーク化された因果表現による解釈可能なマルチエージェント RCA。(例: `根本原因分析`, `LLMによる根本原因分析`, `因果発見`, `マルチモーダル障害診断`, `限定観測可能性`, `ワンショットRCA`, `agentic SRE`)
- **可観測性・テレメトリ工学**。分散トレーシング、メトリクス、ログ、テレメトリの計測・保存・分析基盤。特に**テレメトリ量の削減・サンプリング・スケーリング**(高解像度化とコストのジレンマ解消)。計装オーバーヘッドの定量、意味情報に基づくオンラインサンプリング、フリート規模のコスト帰属プロファイリング、テレメトリパイプライン。(例: `分散トレーシング`, `トレースサンプリング`, `メトリクス削減`, `トレーシングオーバーヘッド`, `継続的プロファイリング`, `テレメトリパイプライン`)
- **eBPF・低オーバーヘッド動的計装**。BPF/uprobe/動的計装による非侵入プロファイリング、カーネル/ホストレベル観測。GPU 内部への eBPF 拡張(eGPU、PTX 注入)、カーネル障害診断、ゼロコード計装。(例: `eBPF`, `BPF`, `eGPU`, `PTX 注入`, `カーネル障害診断`, `ゼロコード計装`)
- **AI インフラの可観測性**。LLM 学習・推論基盤のモニタリング、GPU 観測性、ストラグラー/フェイルスロー検知、サイレントデータ破損(SDC)、耐障害 LLM 訓練、ML グッドプット、大規模 GPU クラスタ運用。本番 LLM システムの細粒度プロファイリングと、エージェント型 LLM サービスのテール遅延診断を含む。(例: `GPU観測性`, `ストラグラー`, `Silent Data Corruption (SDC)検知`, `フェイルスローハードウェア`, `GPUレジリエンス`, `耐障害LLM訓練`, `ML Productivity Goodput`)
- **インシデント管理と SRE の自律化**。アラート相関/削減/疲労、Quality of Alerts(QoA)、SLI/SLO(エージェント時代の運用を含む)、インシデント優先順位付け・影響測定、ポストモーテム、SRE エージェント、予兆検知、セルフヒーリング。学習ベースの閉ループ制御(自動スケーリング/チューニング/ヒーリング)は柱 3 として、テレメトリに基づく制御である限りコアに含める。エージェント運用安全性、Transactional No-Regression、自律度の段階づけ。(例: `agentic SRE`, `Quality of Alerts`, `サービスレベル目標`, `アラート相関`, `ポストモーテム`, `エージェント運用安全性`, `Transactional No-Regression`)
- **時系列異常検知・予測と運用向け基盤モデル**。多変量時系列の異常検知、変化点検知、時系列基盤モデル(TSFM)のクラウド運用応用、分位点/区間予測、メトリクス・ログ・トレースを横断するマルチモーダル可観測性基盤モデル。運用テレメトリへの適用文脈で。モデルアーキテクチャ自体の改良は、運用接地がなければ周辺または対象外。(例: `時系列基盤モデル`, `ログベース異常検知`, `変化点検知`, `時系列マルチモーダルLLM`)
## 周辺関心(60-79)
- **障害の科学・複雑システム論**。グレイ障害、メタ安定障害、複雑システム障害論、障害注入/カオスエンジニアリング、潜在的障害、フェイルスローを含む部分故障。
- **AIOps ベンチマーク・評価設計**。RCA/障害診断のデータセット、エージェント指向の推論プロセス評価、障害伝搬と限定観測を考慮した評価、SRE エージェントのライブベンチマーク。(例: `RCA評価設計`, `SRE Benchmark`)
- **LLM 推論・学習基盤そのもの**。KV キャッシュ、Prefill-Decode 分離、テンソル/データ並列、MoE、AI アクセラレータ、学習の高速フェイルオーバー/リカバリ、データセンタートポロジ。可観測性・信頼性・コスト帰属に還元できる限りで。(例: `LLM推論`, `KVキャッシュ管理`, `Prefill-Decode分離`, `AIアクセラレータ`)
- **データベース/ストレージの自律運用**。時系列データベース、学習型インデックス、データベース自律診断、コンピュートストレージ分離、データ品質 SLO。
- **WebAssembly・エッジクラウドのランタイム/チェックポイント**。ランタイム中立チェックポイント、セルフヒーリング、VM マイグレーション(所属組織・近縁研究者のテーマとして継続追跡)。
- **ネットワーク/データセンターのテレメトリ**。インバンドネットワークテレメトリ(INT)、RDMA/集合通信の性能異常診断、ホストネットワークとインターコネクト、NIC 光トランシーバー監視、輻輳制御。(例: `RDMAネットワーク監視`)
- **研究の自動化・計算機自然という視座**。AI 研究自動化、Harness Engineering、批判的デジタルネイチャー、シミュレーションと現実の高速反復による AIOps、SRE の工学化/セルフクラフト(研究ビジョンの思想的背景)。
## 対象外(40 未満)
- **セキュリティ**(脆弱性検出、攻撃検知、暗号、認可モデルそのもの)。会議リスト対象外。ただし観測性/障害診断に本質的に絡む場合のみ周辺として拾う。
- **MLOps**(モデルのデプロイ・バージョニング・特徴量ストア等のパイプライン運用)。会議リスト対象外。
- **LLM のアルゴリズム改良一般**(新モデルアーキテクチャ、強化学習手法、プロンプト技法の汎用研究)。運用/可観測性/障害診断への応用でなければ拾わない。
- **LLM のデータ枯渇・合成データ・スケーリング則・モデル崩壊**。学習クラスタの信頼性や運用データの品質 SLO に還元できない限り対象外。wiki に教科書があっても、論文スコアのコアにはしない。
- **アプリケーション寄りの応用 ML**(CV/NLP/推薦などのタスク性能競争)。
- **プログラミング言語論・バイブコーディング一般**。カーネル診断や SRE エージェントの道具として接地する場合のみ周辺。
- **純粋な理論・HPC 数値計算・量子計算**。インフラ運用に接続しない限り対象外。デバイス寄りの光インターコネクト/チップレットも、クラスタ運用・可観測性・信頼性に還元できない場合は対象外。
## 方法論・視点の好み
研究目的と直近の wiki 成長から読み取れる評価の癖。スコアの加点・減点材料として使う。
- **実運用規模での評価を重視**。本番規模、10,000-GPU、20万サービス級のハイパースケール、実システムのトレースでの検証は加点。おもちゃ的ベンチマークのみは減点。
- **ベンダー自己申告値に懐疑的**。性能値がベンダー/著者の自己申告のみで第三者再現がない場合は割り引く(例: VAST の全性能値を批判的に扱う姿勢)。
- **成果志向でなく推論プロセス志向の評価を好む**。最終回答のみを採点する RCA ベンチマークより、localization/identification/reason を分離評価する設計、エージェントの行動列を採点する設計を高く評価。
- **限定観測可能性を第一級の評価条件とする**。完全なテレメトリを前提にした RCA や診断は、現実の観測不能成分を扱っていない分だけ割り引く。
- **エージェント運用の安全性と巻き戻し可能性**を評価する設計を好む。Transactional No-Regression、権限委譲、実行時にしか結果が見えない緩和操作の扱い。
- **コスト/オーバーヘッドのトレードオフを明示する研究を好む**。テレメトリ削減率、計装オーバーヘッド、エネルギー効率、フリート規模のコスト帰属など、便益と代償を数値で提示するもの。
- **予測精度だけでなく決定志向・SLO 接地の評価**を好む。時系列基盤モデルはクラウド運用の意思決定やエラーバジェットに結びつく評価を高く見る。
- **単一信号でなく多層・多モーダルの統合**を評価(CPU コールスタック+フレームワーク+GPU カーネル、ネットワーク+ホスト、メトリクス+ログ+トレース)。
- **意味情報・ドメイン知識で探索空間を絞る**アプローチへの共感(統計だけに頼らず構造事前知識を使う。意味的サンプリングを含む)。
- クラウド事業者(さくらインターネット)の観点。ビッグテック事例への過度な依存から脱却する独自知見を志向。
## 査読なし論文の例外基準
原則は査読済みを優先するが、**専門性が非常に近い**トピックは arXiv のみでも読む。具体的には以下に該当する arXiv プレプリントは査読の有無で減点しない。
- マイクロサービス/クラウドの **RCA・障害診断**(例: COCA, GALA, eARCO, RADICE, KPIRoot+, BSODiag)。限定観測可能性下の RCA を含む
- **LLM 学習/推論基盤の可観測性・信頼性**(GPU トレーシング、ストラグラー/フェイルスロー診断、SDC 検知、高速フェイルオーバー/リカバリ、集合通信性能)
- **テレメトリのスケーリング・サンプリング・メトリクス削減**、計装オーバーヘッド、フリート規模プロファイリング
- **運用テレメトリ向けの時系列異常検知・予測基盤モデル**(時系列基盤モデルの運用応用、エージェント型異常検知、マルチモーダル可観測性基盤モデル)
- **agentic SRE・インシデントエージェント**、QoA / SLI-SLO 設計、エージェント運用安全性
- **AIOps ベンチマーク・評価設計**の新提案
- **eGPU / カーネル障害診断**など、動的計装と障害診断が交差する提案
上記から外れる arXiv プレプリント(汎用 LLM モデル報告、一般 ML 手法、データ枯渇や合成データの理論報告など)は、査読なしを理由に減点してよい。
## 再蒸留メモ
- 最終蒸留日: 2026-09-11。前回は 2026-07-08。手編集は初回生成以降なし。
- 再蒸留の目安: 月 1 回程度。`wiki-resolve.py` と `retrieve.py`、必要なら `wiki-excerpt.py` と trim 済み `wiki/hot.md` で関心を蒸留する。`wiki/log.md`・`wiki/index.md`・各 `_index.md` は読まない。
- 今回厚くした軸: SDC/フェイルスロー、agentic SRE と運用安全性、TSFM の運用応用、QoA/SLO、限定観測、eGPU、計装オーバーヘッド、フリート規模プロファイリング。
- 今回足さなかったもの: LLM データ枯渇・合成データ・スケーリング則(柱に還元できない)、バイブコーディング、データベース内部実装の教科書的蓄積。ingest 量とコア関心は一致しない。
- 蒸留の限界: 本プロファイルは wiki の ingest 履歴(≒読んだもの)から関心を逆算している。読んでいないが関心のある新領域は反映されない。人手で `## コア関心` に追記して補正すること。