## Memo
## Abstract
ロボットシステムの故障診断は、その複雑で異種な構造や物理環境との複雑な相互作用のために困難である。このような複雑性と不確実性を考慮すると、ロボットシステムの故障診断には、その挙動を観測可能性の観点から理解することが有効であると考えられる。本論文では、ロボットシステムにおける故障診断のために、異なる種類の共通の[[Observability]]データ(すなわち、ログ、トレース、軌跡(trajectories))を組み合わせることの有効性を探る実証研究を行う。本研究では、ロボットシステムにおける398件のバグの根本原因を調査し、その特徴を理解する。さらに、その中から23のバグを再現し、参加者が観測可能性データのみを用いて各バグを診断する故障診断研究を行い、観測可能性データの有用性を記録する。バグ事例分析調査の結果、ロボットシステムにおけるバグの根本原因は、物理環境との相互作用(11.81%)、ハードウェアの使い方(14.82%)、ソフトウェアの実装(49.25%)、システム構成(24.12%)など、様々なレベルに起因していることが明らかになった。故障診断研究では、トレースデータと軌跡データの組み合わせにより、ログのみを使用した場合と比較して、故障診断の成功率がそれぞれ58.33%と8.33%向上することが示された。我々の研究は、ロボットシステムにおける観測可能性に基づく故障診断のビジョンを促進する。