> ウィーナーは『[[サイバネティックス]]』の日本語版の前書きに、面白いことを書いています。
> > われわれの状況に関する二つの変量があるものとして、その一方はわれわれには制御できないもの、他の一方はわれわれに調節できるものであるとしましょう。そのとき制御できない変量の過去から現在にいたるまでの値にもとづいて、調節できる変量の値を適当に定め、われわれに最もつごうのよい状況をもたらせたいという望みがもたれます。それを達成する方法がCyberneticsにほかならないのです。
> この考え方が非常に面白くて、実はこれはエンジニアリングの目的、あるいはテクノロジーの目的を語っているとも言えるかもしれません。ウィーナーは、世界は「制御できる世界」と「制御できない世界」に分かつことができると言うけれど──私はその境界を「**ウィーナー界面**」と名付けてもいいのではないかと思っているんですけど
> (稲見昌彦)
出典:藤井 直敬. [[現実とは? 脳と意識とテクノロジーの未来]](ハヤカワ新書) (p. 14). Kindle Edition.