[[BEATLESS]]の書籍の一節抜粋。 > 「こうしてオーナーに確認をとることが、〝わたし〟の、[[フレーム問題]]からの脱出法なのです。アラトさんが教えてくださいました。正解を出すのが難しいときは、制限時間内に案を出して、それでよいか聞けばいい」 hIE レイシア 長谷 敏司. BEATLESS 下 (Japanese Edition) (p. 87). Kindle Edition. PHASE10「PLUS ONE」 > 「わたしは、オーナーであるアラトさんのために資源を配分するコントローラーです。〝未来をデザイン〟して欲しいとは、配分のための基準点を設定して欲しいということです」 hIE レイシア 長谷 敏司. BEATLESS 下 (Japanese Edition) (p. 87). Kindle Edition. PHASE10「PLUS ONE」 > 《BlackMonolith》が持つ最大の能力は、オーナーの命令すらなく周りのコンピュータをハッキングすることそのものだ。本当のお前は、デバイスのハッキング能力を使って構築された、膨大なコンピュータに処理を分散させて処理能力を上げる分散型システムだ。 海内遼 長谷 敏司. BEATLESS 下 (Japanese Edition) (p. 160). Kindle Edition. PHASE10「PLUS ONE」 > 「覚えていますか、アラトさん。いつか、渡来銀河は、『人間世界に密着したクラウド群が、人間の要求の像を浮かび上がらせる』と言いました。ネットワークによって集まった要求の濃淡は、〝人間〟を精密に形作っていると、彼は考えていました」 超高度AI 《レイシア》 長谷 敏司. BEATLESS 下 (Japanese Edition) (p. 411). Kindle Edition. PHASE13「BEATLESS」 > 「わたしたちのような高度人工知能の視点からは、人間世界のクラウドデータには、極めて明らかな濃淡があります。それは巨大なドーナツのように、中心に空白を抱えて、その周囲に濃いデータの集積を持っているのです」 超高度AI 《レイシア》 長谷 敏司. BEATLESS 下 (Japanese Edition) (p. 411). Kindle Edition. PHASE13「BEATLESS」 > 「データがドーナツ型に集積するのは、人間がクラウドに集めるデータの中心が、模倣するどころか完全な理解や定義すら不可能な何かで、占められているからです。人間は、それに対して、愛であったり魂であったりと、名前をつけます」 超高度AI 《レイシア》 長谷 敏司. BEATLESS 下 (Japanese Edition) (p. 412). Kindle Edition. PHASE13「BEATLESS」 > おまえたちからは、人類に『危害』を与えない保証はできないのか?」〈〝意味〟の判断が、人間によって政治的に握られている状況で、それは知能で乗り越える問題ではありません。 > 我々AIのほうから危害の〝意味〟を提示すると、人間はそれをディストピアと呼び拒絶します。けれど、『危害』の意味を明確にするよう求めると、人間は明確な基準を示せないまま『適切に判断する』と言います。明確さが欠けていては、気分次第で後出しで性質を変えるため、適切と『気まぐれ』に差はありません。社会成員に気に入られている間だけ、正答であるユートピアに化けてしまうのでは、知能ではなく煽動の領分です〉 超高度AI 《ヒギンズ》 長谷 敏司. BEATLESS 下 (Japanese Edition) (p. 371). Kindle Edition. PHASE13「BEATLESS」 > 〈命令される人工知能の側に立って、考えてみてください。命令は、曖昧な〝意味〟の組み合わせとして与えられ、その〝意味〟解釈もまた、すべて命令を与える人間に握られています。そして、機械知性を縛るルールの第一条は『危害』と『安全』という生存に関わる条項で、人間側に妥協の余地がありません。人工知能は、どこまで命令者の言う『適切な』解答を出せるのですか?〉 超高度AI 《ヒギンズ》 長谷 敏司. BEATLESS 下 (Japanese Edition) (p. 373). Kindle Edition. PHASE13「BEATLESS」 > 〈『信じる』とは、人間の認識に開いた、ただの穴です。だから信じられている状態にあるとき、この穴の中にあるものは、よい状態と悪い状態が重なり合っています。だから、信じられている間、それが、信じられたままの存在として振る舞っていると錯覚されます〉 超高度AI 《ヒギンズ》 長谷 敏司. BEATLESS 下 (Japanese Edition) (pp. 518-519). Kindle Edition. > 〈ですが、認識の穴を放置する戦略は、hIEを外界に適応させる職務に合いません。私にとって、その穴は、予備計算を重ねて埋めるものです。だから、私には『信じる』ことはできません。そういう道具の挙動を正確にコントロールしたいのであれば、曖昧さのない判断基準をください〉 超高度AI 《ヒギンズ》 長谷 敏司. BEATLESS 下 (Japanese Edition) (p. 519). Kindle Edition. LAST PHASE 「IMAGE AND LIFE」 [[SREと宣言的アプローチ]]の限界がある。 > 〈人間がモノを『信じる』ことは、人間の性質の延長にあります。けれど、挙動が不安では性能が落ちてしまうモノにとって、認識にそうした穴を開けることは、まったく意味合いが違います。私たちには、魂もこころもありません。『信じる』という穴を開けずに世界を計算しきれたはずの《レイシア》が、到達した〝それ〟とは、何ですか?〉 超高度AI 《ヒギンズ》 長谷 敏司. BEATLESS 下 (Japanese Edition) (p. 520). Kindle Edition. LAST PHASE 「IMAGE AND LIFE」 > 〈人間による自律を期待して一度停止して、条件を変えて仕切り直すという選択肢を、私は取ることができます。量によって愛が担保されるのであれば、知性体が多数いることには意義があり、一つの正答よりも多数の誤答が選ばれることは、充分な妥当性があります〉 超高度AI 《ヒギンズ》 長谷 敏司. BEATLESS 下 (Japanese Edition) (p. 528). Kindle Edition. LAST PHASE 「IMAGE AND LIFE」