[[実践 時系列解析]] 7章 時系列に使える状態空間モデル より抜粋して引用。 - 現実世界のエンジニアリングの問題から生じる懸案事項に対処する - 推定を行う際に 測定誤差をどのように考慮に入れたらよいか - 推定に事前知識や信念をどのように織り込めばよいか - 真の状態が直接観測できず、他の観測できる事象から推定するしかない世界を仮定する - 世界の真の状態が系の内部ダイナミクスと系に加えられる外力の両方によってどのように時間発展するかなどの、系のダイナミクスの規定にも依存 - 典型例 - 宇宙に打ち上げられたロケット - ニュートンの法則により、系の力学の規則と時間変化する運動の様子を記述できる - 位置を追跡 するために使われる GPS やセンサなどにある程度の測定誤差があることもわかっている - 他の未知のノイズ源、例えば太陽風や地球上の風やその両方などに対して堅牢な過程が必要。 - 歴史的な2つのトレンド 1. 20世紀のオートメーションの時代 - 測定誤差とそれ以外の種類の系の不確実性を区別したい 2. 20世紀の記録管理技術とそれに伴う計算 ## よく使われる状態空間手法 - [[カルマンフィルタ]]を線形ガウス型モデルに適用したもの - [[隠れマルコフモデル]] - [[ベイズ構造時系列モデル]] ## 観測事象に基づいて背後の状態を推定する工程 観測事象と、観測事象を生成した状態を区別 - フィルタリング:時刻 t の測定値を用いて、時刻 t の状態の推定を更新する - 過去の情報に照らして最新の情報にどれだけ重みを掛けるかを判断する方法 - 予測:時刻 t-1 の測定値を用いて、時刻 t での予期される状態の予測を生成する - 将来の情報なしに将来の状態を予測する - 平滑化:時刻 t とその前後を含むある時間範囲の測定値を用いて、時刻 t の真の状態を推定する - 将来過去の情報を用いて、任意の時刻における状態の最良推定値を求める ## 利点と欠点 - 決定論的モデルと確率論的モデルの両方に利用できる - 連続値でも離散値でも適用可能 - 利点 - 分析したいノイズの多いデータを生成する動的な過程や状態をモデル化できる - 因果性のモデルを導入 - 係数やパラメータの時間変化を許容するが、これはすなわち挙動の時間変化を許容する - データに定常性を課さない - 欠点 - 設定するパラメータが多く、状態空間モデルが取りうる形がたくさんある - 自分のモデルの性能や誤りを犯しがちな箇所を知りたくても、確実性が低い 領域に踏み込んでいる - パラメータ数が多いため、計算コストがかかる - パラメータ数が非常に多いと、特にデータが少ない場合に[[過剰適合|過剰適合]]に弱くなることがある。