https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcss/28/2/28_2021.012/_pdf/-char/ja 認知科学第 28巻第 2号 (2021) pp. 299–307 https://doi.org/10.11225/cs.2021.012 Cognitive Studies: Bulletin of the Japanese Cognitive Science Society, Vol. 28, No. 2, pp. 299–307 解説特集 深層学習と認知科学 本稿では、深層学習を人工知能と認知科学の交差点に位置づけ、人間の知能に向けた長い探求の場とすることを試みる。まず、[[BERT]]や[[GPT-3]]などの変換器ベースの手法で得られる巨大な言語モデルの最近の発展について紹介する。そして、これらのモデルで何ができて何ができないのか、その理由を説明する。その際、2つの本質的な問題、すなわち、具象化と記号の接地が示される。これらの問題を解決するために、現在、世界モデルを用いた深層強化学習が研究されている。また、制御する要素を見出すために、ディセンションが重要な概念であることを示す。最後に、今後の発展への展望を述べ、本論文の結びとする。