# 2021年/穀雨(後) 論文の英訳,ブックマークをRaindrop.ioへ移行,工学の歴史と技術の倫理など
Created: April 26, 2021 3:03 PM
Research: transtracer
Week: April 26, 2021 → May 2, 2021
GWは,プライベートでバタバタしていて,特に何もしていなかった.
# Research
## ジャーナル投稿論文の英語化
実験結果がそろってきたので,新しい実験結果に沿って,論文を修正していっている.
和文原稿が完成したので,英訳を進めている.いまのところの英訳の手順は,次の通り.
![[英語論文の書き方]]
## URLブックマークを[Raindrop.io](https://raindrop.io/)へ移行
![[Raindrop.io]]
## BPF Performance Tools輪読
先週当番だったのだけど,先週のlogbookには書き忘れていた.
BPF Performance ToolsのCPU系ツールのうち,offcputime(8),syscount(8),funccount(8),argdist(8)の話.
- offcputime(8): profile(8)と対をなす,ブロックされたスレッドやオフになったスレッドの消費時間を要約した上で,スタックトレースを出力する.
- ロック取得時の予期せぬタイムブロックの発見や、原因となるスタックトレースの発見ができる
- syscount(8): システムコールの回数を数える.
- syscountは,CPUのsysの割合が大きいときに,syscount -Piで様子をみてから,プロセスを特定して,そのpidで絞って -i でみるのがよさそうかもしれない.
- funccount(8): CPU利用についてよりコンテキストを提供する.どの関数が呼ばれ,どれくらい頻繁なのか.profile(8)は,ホットな関数を教えてくれるが,それ以上の詳細は教えてくれない.
- argdist(8): syscountで発見した頻繁に呼び出されるsyscallの詳細を追っていける.
過去に経験したあれこれやの問題も,これらのツールが使えれば,もう少し追い詰めることができたかもしれない.
# Clips
## PixieのOSS化
[New Relic open sources Pixie, its Kubernetes-native in-cluster observability platform | ZDNet](https://www.zdnet.com/article/new-relic-open-sources-pixie-its-kubernetes-native-in-cluster-observability-platform/)
eBPFベースのObservabilityツール[Pixie](https://px.dev/)が,New RelicによってOSSになった.Pixieが昨年New Relicに買収されていたことを知らなかった.
[https://github.com/pixie-labs/pixie](https://github.com/pixie-labs/pixie)
ソケットのトレースのためのコードはここ [https://github.com/pixie-labs/pixie/tree/8d297826245fa6b76947b18dcc7e89c28f204455/src/stirling/source_connectors/socket_tracer](https://github.com/pixie-labs/pixie/tree/8d297826245fa6b76947b18dcc7e89c28f204455/src/stirling/source_connectors/socket_tracer)
## [[工学の歴史と技術の倫理]]
[https://www.amazon.co.jp/dp/4000063103](https://www.amazon.co.jp/dp/4000063103)
t_kytくんの[プロダクトマネジメントとソフトウェアエンジニアリングについての覚え書き - 角待ちは対空](https://blog.yux3.net/entry/2021/04/19/085608)で紹介されていることで知った.
工学,科学,技術,技芸といった,これまでなんとなく曖昧に使ってきた用語の違いが,歴史を踏まえて説明されていて,とてもおもしろい.
- 技術: 人間がその生を全うするために,自らの目的意識に基づいて,目標の達成を目指して案出し,また使用する「わざ」の総体
- 工学: 技術を学問化したもの
- 1. 言語などの記号体系により,広く伝達可能な形となっている
- 2. 専門領域によって体系化された「知識」という形態をとっている
- 英語の "engineering" は "engine"が語源であり,"engine"は,「うまく何かを造り出す」という意味だとすれば,"engineering"は,工学よりも技術に近い.
## ユニコーン企業のひみつ
[ユニコーン企業のひみつ](https://www.oreilly.co.jp/books/9784873119465/)
はやりの[[ユニコーン企業のひみつ]]を読んでいた.
組織として,いかに効果的に学習(問い・仮説・検証ループを回す)を積み上げられるかが成功の鍵をにぎりという主張のもとに,そのノウハウが記述されている.
直観的にテック企業で取り組んでいけば良さそうなことが書いてあるのだけど,ある解決法があって,それでうまくいったと書いてあって,解決法とその結果に本当に因果関係があるのかとか,批判的に読むとちょっとよくわからない書き方になっている.したがって,この本の内容を自分たちの組織に適用するときには,本当に自分たちの組織の問題に適合する解決法なのかを自分たちで検証していく必要があると思う.
# Life
## ![[ドラゴン桜2]]