[本の中の世界 - 岩波書店](https://www.iwanami.co.jp/book/b267408.html) <blockquote class="twitter-tweet" data-theme="dark" data-dnt="true" align="center"><p lang="ja" dir="ltr">yonda.<br>湯川博士が科学者とのエピソードや読書を通して感じたことを静謐な文章で語られており読んでいて幸せになれる<br>アインシュタインを語る章では、どれだけその人柄を慕いアインシュタインの孤独を慮っていたのかが静かな表現を通して深々と伝わってきてむねあつ <a href="https://t.co/K0tFNdmtv2">pic.twitter.com/K0tFNdmtv2</a></p>&mdash; tomomii (@tomomiih) <a href="https://twitter.com/tomomiih/status/939391496616230912?ref_src=twsrc%5Etfw">December 9, 2017</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> > 読者はこの本で湯川博士のくつろいだ姿に接することができる.読者とともに散歩しつつ,読書の思い出を述べ,あるときはエラスムス,アインシュタインにふれて世界観を語り,あるときは荘子,墨子,ドストエフスキーに説き及んで人生を語る.科学的思索を支える教養の広くゆたかな裾野が峰の高さをしのばせる. 物理学者として著名な故湯川秀樹さんの著作。友人が精神がくつろぐよといって紹介してくれた本。 湯川秀樹さんの内面世界をちょこっとのぞかせてもらっているような感じ。幼少や学生のころの文学への造詣が、大人になって物理学、科学の世界へと帰着されていくさまがとても興味深い。 **荘子**:儒教やギリシャ思想では、人間の自律的、自発的な行為に意義を認めている一方で、老子や荘子は、自然の力は圧倒的に強く、人間の力ではどうにもならない世界観があるとのこと。宿命論的だが、非合理的ではなく、科学文明の進みによって時間に追われている現代人にとっては、案外、身近な話のように感ぜられるだろうと書かれている。 先日の日誌で触れた、喜連川先生の最終講義の最後の質疑にあった人間がmodestになるべき、というお話を連想する。[[2021年 春分(前) AccelTCP論文、ソフトウェア系Podcastいろいろ、喜連川先生最終講]] **近松浄瑠璃**:近松の独創性のひとつに、社会のタブーを突き破って、その奥まで探求する意欲について述べられている。これを踏まえて、独創性の考えを一般化し、"すでにきまってしまった形とは違った形の可能性を想定するとか、あるいはさらに進んでまだ形をなしていない所に、何者かが形となって現れる根元を発見しなければ、独創力は発現できない。"と書かれている。 先日、論文必勝法のセッションで聴いた、新規性のある論文を書く2つの独立した方針の話 — 王道とそれ以外に対応する話だと思って読んだ。[[2021年 啓蟄(後) SlackのObservability論文,トップ会議の論文の書き方など]]