> この記事では、**「研究テーマ」とは「どんな世界にどう挑むのか?に対する答え」**であり、それは下図のように**「魔王に挑む冒険ゲーム(RPG)における世界観と、その世界に挑む作戦」**のように捉えると分かりやすいという話をします。大阪大学大学院の教員であり、2021年10月に『卒論・修論研究の攻略本(森北出版)』を上梓した著者が解説します。 ![画像](https://assets.st-note.com/img/1643253120191-iGY8Agg9qo.jpg?width=1200) 「研究テーマ」は世界観と作戦 ![画像](https://assets.st-note.com/img/1643248137677-50MV8m5nst.jpg?width=1200) ## 研究テーマは「挑む世界観と作戦」だと捉えよう というわけで、本記事の冒頭で示した**「研究テーマとは、どんな世界にどう挑むのか?に対する答え」**だ、という話にはいりましょう。 下の図をみてください。これが、研究テーマお化けをよく観察して得られた正体です。下端の「現状」と、上端の「理想」の間に矢印が結ばれており、その途中に、「目標」という粒々や、「問題」というごつごつした固まりがありますね。理想の近くには、「課題」というものが挟まっています。**このひと繋がりの構造が、研究テーマの正体**です。 ![画像](https://assets.st-note.com/img/1643691630528-S0aozB9v0z.jpg?width=1200) 研究テーマの正体!? ### 世界観とは「理想・現状・課題・問題」の組み合わせ ### 作戦とは「アプローチ」のこと > 一方で、上の図でオレンジ色で示したものが「研究にどう挑むのか」という「作戦」です。現状から課題へ向かう大きな矢印が、作戦の大枠である「アプローチ」です。どのような考え(アイデア)で問題を解決し、課題を達成しようとするのか、というものです。うまく問題を解決し、課題を達成できるようなものを選びます。 > 作戦の詳細が、「目標」と「手段」です。これらはアプローチに従って決定されるので、アプローチの矢印に沿って配置されています。目標というのは問題解決につながる攻略の要所で、手段というのは目標攻略のための現実的な手立てです。 ### テーマを代表するものが「目的」 上の図の「テーマの構造」の中で、「目的」が黒で描かれていたことに気が付いたでしょうか?ここで目的とは、「選んだアプローチによる問題解決と課題達成」だと説明されていますね。つまり、**目的というのは、「世界観と作戦」のとくに重要な部分を抜き出して一言で言おうとするもの**です。この意味で、「研究テーマとはざっくり言えば、研究目的のことだ」ともいえるでしょう。 ## 研究は、魔王に挑むRPG さて、お化けの正体がわかったところで、**「研究テーマというものの正体は、別に特殊なものではない」**ということの確認をしていきましょう。これを確認できれば、さらに怖いものではなくなります。 下の図を見てみましょう。研究テーマの正体と、魔王に挑むRPGの世界観と作戦の図を並べたものです。同じですね。 ![画像](https://assets.st-note.com/img/1643253169050-AmMQTFRZni.jpg?width=1200)